神奈川県内の農業者が農業を継続するには農業用機械等を導入するための設備資金と運転資金が必要であり、JAではそれに対して融資を行っています。しかし中にはJAの農業融資だけではカバーしきれない資金需要があり、それに対してサポートしていくのが私の所属するアグリサポート班の役目です。例えば、農業者が大規模な設備導入を検討する際、希望する融資が多額となり、JA単独での対応が困難であると判断されたケースなどがあたります。そんな時は、JAと神奈川県信連で協調(分担)して融資することで農業者のニーズに応えています。地方銀行や信用金庫が農業分野に積極的に進出している中、農業者に対してJAだからできることを実行し、アピールしていくことが大切です。神奈川県信連の取り組みによって融資機能を強化することは、JAグループが農業者からより必要とされる組織になることにつながると考えています。私は農業者からの農業資金に関するご相談に対応し、JAの融資部門との連携により、JAバンク神奈川全体での農業者支援につなげています。
神奈川県信連では融資以外の機能発揮にも力を入れています。例えば、神奈川県信連の取引先同士のビジネスマッチングや農業コンサル業務、農業者同士の交流の促進などです。ビジネスマッチングでは、横浜駅前で開催したマルシェが盛況でした。駅前でのマルシェを主催することは初めての試みでしたが、取引先やJAの方々のご協力のおかげもあり、笑顔あふれるイベントとなりました。最近では信連取引先の農業者をお招きし、情報交換と懇親を兼ねて実施した交流会が特に印象に残っています。農業者同士の横のつながりが経営に及ぼす影響は大きく、各所からの情報収集が欠かせません。売れるためには良いものを作るのは当然のこと。より売るためにどうリソースを配分するかという経営的な視点も求められてきます。さらには後継者問題といった課題への取り組みも重要です。農業者同士のコミュニケーションを通じて、そうした知識や工夫の共有が進むことを目的として開催したのが、この交流会でした。当日ご出席いただいた農業者の方からは多くの喜びの声をいただき、手応えは十分ありました。私たちが農業者と直接関わることは案外少ないため、農業者の声を知る上でも意義深い試みとなりました。
これからも農協組織が“組合員の、組合員による、組合員のための組織”であるために、私たちも「農業者のために何ができるか」と自問し続けることが大切です。農業融資における神奈川県内のシェアを維持・拡大することだけでなく、他にも何か価値ある取り組みが展開できないか、組織全体として考え続けたいと思います。私個人としては、入会して8年目を迎えたことで、若手職員から中堅職員への過渡期にあると実感しています。これまでは神奈川県信連の方針や上司・先輩の指導のもと、命じられた業務を着実に遂行することで精一杯になっていました。しかしこれからは中堅職員として上司と後輩職員の間に立ち、業務の円滑化を図りつつ、自らの経験や思いを反映させながら主体的に業務に取組むことが求められます。そのためにも周囲を巻き込み、リードしていく力を身につけなくてはならないと考えています。神奈川県信連が多くの人々に必要とされる組織であり続けられるよう、私も誰からも必要とされる職員を目指していきます。そして遠い未来、神奈川県信連の職員としての生活を終えるとき、「長い歩みを通してこんなに成長できた」と胸を張れるようになりたいと考えています。
平塚で生まれ育ちました。神奈川県には横浜、川崎といった大きな都市もあれば鎌倉や箱根などの観光地があり、農地も広がっています。とてもバランスの取れたエリアで、本当に暮らしやすいと感じています。当然、深い愛着を抱いていますし、この大好きな場所のために何か貢献したいという思いが、神奈川県信連への入会動機につながりました。私には1歳の息子がいるのですが、私と同じように神奈川県を愛し、神奈川県でずっと暮らしてほしいと考えています。将来、息子たちの世代の人たちが誇りをもって暮らせるような、そんな神奈川県にしていくことが私たち世代の使命です。