JA湘南広報誌_8月号
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9SHONAN 野菜の生育が悪いという相談があり、現場を確認したところ、病害虫は見当たらず、土壌の硬盤による根の伸長不良が原因でした。1 硬盤とは何か? 硬盤とは、土壌中に硬い層ができて通気性や排水性が悪化し、作物が順調に生育できない状態です。棒等で生育の良いところと悪いところに差し込んで比べてみると、生育の良いところは深さ20㌢以上スルスルと棒が入るのに、生育の悪いところでは深さ10〜15㌢、場所によっては僅か5㌢ほどで土中が硬くなり、硬盤層ができているのが分かります。2 硬盤ができる原因は? 化成肥料の大量施用や土壌消毒等による化学性・生物的性の悪化とトラクター重量で土が押し固められ、ロータリー刃の届かない下層が下に押し固められた等、物理性の悪化が原因です。3 対策 対策は硬盤破砕です。物理的な方法では、プラウ耕等により硬盤を破砕します。ただし、土中に有機物が少なく、団粒構造ができない場合はプラウ耕を掛けても再び硬盤ができやすくなります。堆肥等の有機物を施用してください。その他、緑肥を栽培し、緑肥の根によって硬盤に穴を開ける方法があります。ただし、種子ができると雑草化しますので、その前にすき込んでください。①ライ麦「ウィーラー」(雪印種苗)は、9月下旬〜12月上旬播きで、キタネグサレセンチュウを抑制します。細根は70〜80㌢に達し、硬盤を破砕します。出穂前の4月にすき込みます。②エン麦野生種「ニューオーツ」(カネコ種苗)は春、夏、秋播きでき、細茎ですき込みやすく、キタネグサレセンチュウ、キスジノミハムシの抑制効果があります。③クロタラリア「ネマックス」(雪印種苗)はマメ科で5月下旬〜7月中旬播き、ネグサレセンチュウ、ネコブセンチュウ、ダイズシストセンチュウに高い抑制効果を持ちます。立毛状態のままロータリー耕を行うと茎の繊維が軸に絡まり、機械に負担をかけるので、フレールモアやハンマーナイフモア等で開花前に地上部を細断します。④セスバニア「田助」(雪印種苗)はマメ科で5月下旬〜7月下旬播き、耐湿性に優れ、水田転換畑での生育が旺盛です。直根による硬盤破砕能力が高く、土壌の透水性、通気性を高めます。栽培期間は約50日、開花期を迎えると繊維質が多くなり、機械に負担を与えます。草丈が1.5〜2.0㍍になったら開花前にすき込みます。作土層硬盤層芯土層トラクターのロータリー耕で土の押し固め重量JA営農技術顧問■露地野菜部会持寄品評会(7/5)○ジャガイモ 準特選=近藤 旭(比々多)○湘南レッド 準特選=岩田 耕平(大野)○黄タマネギ 特選=今井 泰一(比々多)○露地キュウリ 準特選=今井 律子(比々多)○ナス 特選=城所 雄二(伊勢原)○エダマメ 準特選=大谷 勝彦(大田)○ピーマン 準特選=大谷 勝彦(大田)■第3回露地野菜部会伊勢原支部 持寄品評会(7/12)〇ナス 優秀賞=城所 雄二(伊勢原)〇タマネギ 優秀賞=今井 惠美子(高部屋)〇水ナス 優秀賞=細野 雪菜(高部屋)■令和6年度果樹部会伊勢原支部 ナシ立毛品評会(7/23) 優秀賞=小泉 忠司(比々多)■令和6年度果樹部会伊勢原支部 ブドウ(大粒種)立毛品評会(7/26) 優秀賞=石井 文夫(伊勢原)(上位入賞者のみ紹介・敬称略)入賞おめでとう!入賞おめでとう!農作業メモ硬盤破砕による土壌の改善

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