JA湘南8月号
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ナスは早ければ6月ころから収穫が始まり、10月上旬ころまでと長い期間収穫できます。暑さが本格的になってきた7月下旬~8月上旬、株の若返りを図るために、茂り過ぎた3本の株元に葉を2、3枚残して切ります。また、株周りにスコップを入れて根を切り、新しい根の発根を促す更新剪定を行い、追肥と灌水をすることで、秋ナスを楽しむことができます。ナスについての説明で、間違っているものは次のうちどれですか。(1)ナスの生育には十分な光と水分が必要で、果実の着色には十分な光が必要である。(2)ナスは地域に根付いた品種が多く、九州の「大長ナス」、京都の「加茂ナス」、大阪の「水ナス」などがある。(3)ナスは有機質に富んだ耕土の深い土を好み、連作障害が出にくい野菜である。(4)1番花が開き始めた頃に定植し、1、2番果は、株の生育を促すために早めに収穫すると良い。【解答・解説】解答:正解は(3)です。解説:ナスは有機質に富み、耕土の深い土を好み、連作障害が出やすい作物です。発芽適温は25~30度、生育適温は23~30度、生育と果実の着色には十分な光が必要となります。また、水分を好み乾燥に弱いので、生育には十分な水が必要です。   『新版日本の農と食を学ぶ中級編』(120ページ)より【問題】日本農業検定事務局9SHONANナスあれば植え直し、ホウレンソウなど直播きのものは収穫期を考慮した上で播き直します。水害を伴う場合は速やかに排水に努め、流入した泥・異物は早めに除去します。また、損傷した茎葉の除去や誘引・支柱の立て直し、畦の修復を行います。傷口からの病原菌の侵入を防ぐため、殺菌剤を散布し、草勢の早期回復を図るため、葉面散布剤を混入します。ネギなどは土壌の水分状態が安定したところで追肥・中耕除草を行います。線を描くように日本付近を通り、秋雨前線を刺激し大雨を降らせることがあります。 台風の接近・通過に伴い、強風による倒伏、茎葉損傷、落果等の被害や、大雨や河川の氾濫による田畑の冠水、潮害による生長点や茎葉の黒変、枯死など農作物に多くの被害が発生します。〔台風被害の事前対策〕 台風の事前対策として、被害軽減のため作物へ寒冷紗などをべた掛けし、強風に飛ばされないよう裾をしっかりと埋め、必要に応じて、ひも・テープ掛けを行います。防風ネットを設置している場合は、支柱・留め具を増やすなど補強します。ネギなど畦横に溝がある場合、畑の端まで溝を切り(明めい渠きょ)、水が畑の外へ流れるようにします。また、定植近くの苗なら台風後に定植を延ばし、収穫期近くなら早めに収穫します。〔台風被害の事後対策〕 被害が大きかった場合、予備苗が〔台風の発生と経路〕 熱帯の海上で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)が17.2m/s以上となったものを「台風」と呼びます。1991~2020年の30年間平均では、年間約25個発生し、約12個が日本から300km以内に接近し、約3個が日本に上陸しています。台風は図のように、6月と10~12月は低緯度で発生し、そのほとんどはフィリピン方面へ向かいます。7~9月は発生する緯度が高くなり、日本へ向かって北上する台風が多くなります。9月以降は、南海上から放物図 台風の月別の主な経路  (実線は主な経路、破線はそれに準ずる経路)  (参考資料:気象庁HP)JA営農技術顧問更新剪定農作業メモ台風の発生と被害防止対策について「農」を学ぼう日本農業検定

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