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家庭菜園

四季の花づくり
楽しみを胸に本格作業
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本格的な花壇作業の時期になります。

秋まきした草花苗は、日中には防寒用の覆いや保温施設内に外気を通わせて、締まったものにして、植え広げて細根を増やすよう努めます。

草花の種まきは、ソメイヨシノ桜の開花時期を目安にします。気温が低いとか、霜の心配がある所などで、少しでも早く花を見たいのなら、桜が咲く時期まで待たず、鉢に種子をまいて室内やフレーム内に置き、発芽させてしばらく育てて、花壇に植えるとよいでしょう。球根草花は4月になってから植え付けるのが一般的ですが、室内やフレーム内で植えて養成して、花壇に植え出せば早く花が見られます。この早まきの手法と普通時期の種まきの物を組み合わせれば、花を楽しむ時期の幅が広げられます。

宿根草の株分け、植え付けの時期は、春の適期になります。

真夏の7~9月ごろ長期にわたって、次々とにぎやかに花を咲かせ続けてくれるクサキョウチクトウ(オイランソウ、宿根フロックスとも呼ぶ)など宿根草は、植え付けて3~4年もすると根株が増えて密生してくるので、株分けし、植え替えるようにします。根際に芽が付く宿根草では、芽が土の上にわずかに顔を出したころに、株分けをすればいいでしょう。株分けは3~5芽を付けて行います。

宿根草花では、5月に豪華な開花を期待していたシャクヤクが、つぼみのまま黒ずんで咲かなかったことはありませんか。褐斑(かっぱん)病や灰色かび病に侵された可能性があります。3月に芽が出てきた後、つぼみが大きくなるまで2週に1回くらい、薬剤散布をして防ぎましょう。また、芽が動きだす前に施す「芽出し肥え」も大切です。

一足早く動きだす宿根草
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立春を過ぎると、わが国のどこでも、気温は上昇期に転じます。草花も反応し始めます。まず、日本の山岳地帯の湿地が生まれ故郷であるサクラソウが2月上旬に動き始め、やがて多くの宿根草が根の活動を活発にします。そのころ、サクラソウは芽分け・植え替えをし、宿根草は元肥を施します。サクラソウの芽分けでは、古根に付いている大きな芽や中程度の芽を植えます。小さい芽は花が咲きません。でも、捨ててしまうのはもったいないので、養成して親株にしましょう。2月末に宿根草に与える肥料は、元肥になるもので、長く効いてくれる有機質を施しましょう。野菜や果実のくずでも大丈夫です。溝を掘って施し、土を掛けておきます。

3月になると、春花壇の作業が本格的に始まりますが、植え付けの1カ月くらい前の今月には、地ごしらえなど、準備をしておきましょう。

草花は、種子をまいても、苗や球根を植え付けても、まず根を伸ばしてくれて、水や養分を吸い上げることが、花を咲かすスタートになります。その根がよく伸びてくれるようにするには、土が大切になります。根が養水分を吸い上げるには、エネルギーが必要になります。人間はじめ動物が水を飲んだり、食べ物をかんで飲み込んだりするのに、何がしかの力が必要なのと同じことではないでしょうか。そのエネルギーを生み出すには、光合成で作ったでんぷんと、根の周りにある空気に含まれている酸素とを結び付けてエネルギーをつくり出します。ですから、根の周り、つまり、土が空気を十分に含めるようにしてやることが、非常に重要になります。

こんな土を作るには、冬の間の天地返しのような深耕が効果をあげますが、これをやっていなければ、シーズン直前の地ごしらえの折に、少し深めに耕して、堆肥や腐葉土など有機物も十分に入れて、ふっくらした土にしておきましょう。地ごしらえでは、石灰も施しておきましょう。

この時期、年間計画に思い巡らせよう
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秋まきで育ててきた苗物には水やりをしますが、まだ地上部に顔を出していない球根類も、土の中では盛んに根を活動させていますので、水やりを忘れないように。土の表面が白く乾いてきたら、たっぷりとやっておきます。午前中の気温が上がるころに、やっておくのがよいでしょう。

真冬の花壇の作業はそれほど多くはありません。この時期に花壇の土の若返り作業と今年の花壇づくりの構想を練っておくのはどうでしょうか。

花壇の若返り作業は、春咲き草花の苗や球根などの植わっていない、空いた花壇を深く打ち起こすものです。深さ30cmほどにスコップやくわで深い所の土を掘り起こし、表面の土をひっくり返して下層にしてやるのですが、かなりの重労働ですから、作業の少ない時期に、少しずつ進めたいものです。こうすることで、下層の土が冬の風雨にさらされて酸素を含み、また土中に潜んでいる病害虫に太陽光を当てて、密度を減らす効果も狙います。天地返しとか寒ざらしともいいます。打ち起こした後は、消石灰をまいておきます。酸性土壌の矯正のためです。雑草の根は取り除いておきたいのですが、土そのものは、このまま置いておいて、次の種まき作業、定植作業の準備のとき、細かく砕きます。

花壇づくりの構想を練っておくと、適期の作業実行に役立ちます。これも比較的暇なときにやっておくとよいでしょう。何月にはこの花、翌月にはあの花という、およその開花期を並べて、年間の花暦を作り、種まきどきを添え書きしておいて、園芸店やJA、また、種苗会社の通信販売で種子を求めて用意すれば、作業が遅れずに進められるでしょう。

菊は、霜よけをする、好天の日中にはよく日に当てるなどの冬至芽の管理が中心ですが、水不足で枯れることがありますので、十分な水やりが大切です。

ハボタン、フクジュソウで日本の冬を
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冬を代表する草花として花壇を飾ってくれるフクジュソウは11月から2月までが植え付け適期です。花が咲く時期に植え付けても大丈夫、という草花です。植え付け場所は、冬には日当たりが良く、夏には日陰になるような、落葉樹の枝先の下あたりが最適です。12月になると、園芸店などで、根株が売り出されます。すでに植え付けてあるものは、4~5年経っていれば、株分けして、植え付けます。あまり長年、植えっ放しにしていると芽が小さくなってきます。

フクジュソウといえば、元旦草という別名があることで、正月の床の間や窓辺を彩ってくれる花をイメージしますが、普通に育てると、旧暦の正月、つまり新暦では2月ごろが開花期です。園芸店などでは正月用の鉢物として売り出されますが、温度調整をして、新暦の正月に咲かせられるように育てたものです。

冬の庭に欠かせないハボタンが葉色を増してきますが、植え付け時期です。定植場所には、肥料を施しません。キャベツの仲間ですが、寒さや風当たりがあまり強いと早く傷みますので、こうした所への植え付けは避けたいものです。自家で種子をまいて苗づくりをしてくると、どうしても苗に大小が出来てしまいます。同列に植えるなら、大株は少し深めに植えます。

太平洋側の地域や瀬戸内地方など降雨の少ないところ、それに、防寒をしている苗を植えてある場所などは、水不足になりがちです。また、地表面には顔を見せていない球根や宿根草の植え付け場所でも、根部は活動していて、水分を求めています。こうした所には、地表面が白く乾いたら、午前中にたっぷりと水やりをしておきましょう。

水栽培の球根は、容器の底に届くほどに根が伸びてきているでしょうから、そろそろ0度近い場所に置いて、寒さに当てるようにしましょう。2月ごろまで、十分な寒さに当てないと、良い花は咲きません。

ユリの植え付け時期
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球根の多くは10月中に植え終えるのが良いですが、まだであれば早めに植えましょう。ただ、耐寒性の強いユリは今月が植えどきです。ユリは今月が植えどきです。ユリは球根の上の茎からも「上根」と呼ばれる根を出し、栄養を吸い上げる重要な役目を担いますので、一般の球根より球根一つ分、深植えにします。この上根は茎が土で覆われていないと出ないので、深植えにするのです。

秋まき草花の苗は、11月上旬には花壇に定植しておきます。ハボタンは気温が下がって寒さを感じるくらいになると、葉が色づき始めるので、このころを定植時期の目安にします。他の草花の定植花壇は、肥料を施しておきますが、ハボタンの植え付け場所だけは肥料を施しません。葉の色づきを悪くしないためです。今植わっている秋咲き草花がまだ、よく咲いていて、苗が植え付けられないときは、育苗ポットに植え替えておき、秋咲き草花が終わり次第、すぐに植え付けられるようにしておきましょう。

ヒヤシンスなど球根草花の水栽培は、水温が15度を下回るような陽気になったら始めましょう。根の伸長に光はいらないので、発根部から下の部分の容器を黒い布、アルミホイルなどで覆うか、冷暗な部屋の隅に置くようにしましょう。

サフランが開花する時期になりますが、花が咲かない物があるかもしれません。これは多くの場合、新球根がよく育っていなかったことが原因です。サフランは花が咲いた後、新球根を付け、これが育って芽を出し、また初冬に再び花を咲かせるのですが、新球根が小さいと花を付けません。そこで、新球根を大きくしてやるためには、前年の球根植え付け時に、肥料を十分に施しておくことが重要です。また、水栽培やミズゴケでの栽培では、使った球根には肥料を与えませんので、来年もこの球根を使うのでしたら、肥料を施した花壇などに一度地植えにして、球根を養成しましょう。

秋、花壇作業は手際良く
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高かった気温、地温が下がり、草花の種子、球根は発芽、発根には好適時期です。寒い時期を越えて、春に花を咲かすわけですから、寒さが来る前に、十分に根を張らせ、水分をしっかり吸い上げる態勢を整えてやるのがポイントです。

秋まき草花の発芽には15~20度くらいが適していますが、急激に気温が下がっていく秋のまきどきは案外短いので、手際良くまきましょう。一方、球根は寒くなるまでに根を伸ばせればよいので、11月上旬まで植え付けられます。植え付け場所は3週間ほど前に、酸性を矯正し、有機質、元肥を入れて、準備しておきます。

球根は水栽培で楽しむことも多いのですが、こちらは水生の病原菌との戦いがあります。病原菌が繁殖しにくい水温、15度以下になってから取り組む方が得策です。それでも12月までには根を十分に伸ばしてから、強い寒さに当ててやる必要がありますので、あまり遅く取り組むと、根が十分に伸びないうちに寒さが来てしまうことになります。留意してください。発根、根の伸長には光はいらないので、栽培容器は部屋の隅などの暗い所で管理して大丈夫です。根がしっかり伸びてからは明るい所で管理します。

ハボタン、パンジー、デージーなど、夏に種まきし、苦心して育ててきた草花は、小苗になっているころです。仮植えし、丈夫な細根を多く出させて、冬を越せる体力を備えた丈夫な苗に育て上げましょう。植え替え時には、根を半分か3分の1くらいに切って植えても大丈夫です。定植する花壇もなるべく早く、酸度矯正、元肥施用して、地ごしらえをしておきます。ハボタンは涼しくなってくると急激に大きく伸び始めますので、株間を少し広めに取って植え付けましょう。葉が込み合って株間が詰まってしまうようなら、下葉をかき取って、風通しを良くしてやりましょう。

秋の種まきは適期が短い
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秋まき草花のまきどき、秋植え球根の植え付けどきに差し掛かります。

種まきは、お彼岸を目安にしますが、秋は急激に気温が下がっていきますので、春まきよりも適期が短いと考えましょう。急激に気温が下がるので、種まきが遅れると根張りが悪くなり、生育スピードが鈍って、冬の寒さでダメージを受けてしまいます。これを逆手に取って、アサガオを9月にまいて、日当たりの良い所で育てると、短日と生育の遅延で、小さな草丈のアサガオの花が見られます。花は大輪にはなりませんが、晩秋のアサガオという、面白い風景になります。

ユリ、サフラン、フリージア、オキザリスなどの球根は9月中に植えましょう。植え付け場所の準備は早めにしておきます。サフランなどを室内で観賞するなら、霜が来るまでは、戸外で寒さに遭わせてから室内に取り込みます。

チューリップ、スイセン、ヒヤシンスなどは10月に植え付けます。このための植え付け場所を、9月に元肥施用など地ごしらえしておきましょう。

宿根草は株分け、植え替え時期です。シャクヤクは宿根草ですが、何年も植えっ放しにしておくと、出てくる芽が痩せて、花が咲かない株になってしまいますので、3年に1回くらい株分けをしてやりましょう。10月に根が伸びる時期の前に掘り上げて、株分けをします。十分な堆肥を入れ、化成肥料を少々加えて土づくりをして植えます。来年は良い花が咲くでしょう。

菊は、10~11月咲きが、つぼみが見え始める時期になりますが、最上部の大きく咲かせるつぼみ(心蕾<しんらい>)とその下の四つを予備芽として残す以外の脇芽は摘み取ります。予備芽は心蕾が何かの原因でなくなった場合に備えておくのですが、10月初旬まで付けておきましょう。つぼみが見え始めたらしおれさせないよう、水を十分にやります。支柱は早めに立てておきましょう。

水やり、ハダニ対策に留意を
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日照りが続けば、花壇の草花は青息吐息でしょう。土の表面が白くなったら、たっぷりと水やりをしましょう。鉢植えは、花壇に比べて土の量が格段に少なく、鉢の周りから熱が押し寄せるので、毎日水やりをしなくてはならないくらいに乾きます。この時期、代表的な草花はアサガオですが、特に大輪種は、夕方涼しくなってからの冷たい水での水やりは避けます。くみ置きの水を午前中に掛けてやりましょう。

乾燥する時期はハダニが増える時期でもあります。ハダニは葉裏に付いて、吸汁しますので、葉が薄くなり、少し透けたように白っぽい筋が見えます。こういう状態が多く見られるようなら、ダニ防除剤を使って退治します。ハダニは湿潤状態に弱いので、葉裏に水を掛けてやるのもよいでしょう。

サルビア、ダリア、マリーゴールド、早く咲いたコスモスなどは草丈の半分か3分の1くらいに切り戻して、再び出てくる茎に花芽を付けるようにして、秋の開花を楽しみます。切り戻しの後、肥料を施して、力をつけてやりましょう。

ダリアは茎が中空で、中に雨水などがたまると腐敗の原因にもなりますので、節のすぐ上で切り戻します。

パンジーは9月にまくのが普通ですが、早くまくと11月から開花が期待できます。鉢などに8月中に種まきをし、覆土しないで、洗面器などに水を張って鉢を漬けて、下から水を吸わせます。水分の蒸発を防ぎ湿度を保つため、発芽するまで新聞紙を掛けて涼しい場所に置きます。4~5日で発芽するので、新聞紙の覆いは取り除きます。いつまでも光を制限していると徒長してしまいます。本葉3枚くらいで3~4cm間隔に植え広げ、この間隔でも込み合うくらいになったら定植します。

10~11月咲きの菊は、支柱を立てて出蕾(しゅつらい)に備えます。

パンジーの種まきはいかが
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7月から8月にかけては水やりと草取りが重要な作業です。

水やりは涼しい午前中にたっぷりとやっておきましょう。

夏季の花壇は「雑草との闘い」といえるほど、雑草の旺盛な生育と草取りの競争になります。雑草を1本も残らず取り除こうなどと考えるとうんざりしますが、「草丈の高くなったものを取り除く」という程度に考えれば、気楽ではないでしょうか。

真夏に種まきするものは多くありませんが、今ではほとんどが園芸店やホームセンターで、苗を買ってきて植えることが多くなったハボタンやパンジーは真夏にまくことができます。ハボタンは、いつまいても発芽しますが、葉が色づく晩秋から初冬に程よい大きさにするには、七夕ころにまくとよいでしょう。また、パンジーは暑い中での種まきは発芽が良くないのですが、早くまけばまくほど花が早く咲くので、箱や鉢に種まきして涼しい風通しの良い場所で管理したり、冷房の効いた部屋で発芽させたりするとよいでしょう。パンジーの種子は小さいので、種まき後の箱や鉢の水やりは、それらより大きい容器の中で、底から吸水させます。

菊は、8~9月咲きには支柱を立てるか摘心をし、草丈を低くして倒れない工夫をしてやり、10~12月咲き品種では、枝数を増やすために摘心をします。11月開花の大菊は、7月中~下旬に9号くらいの大鉢に定植します。大菊では、早ければ7月にも、つぼみに似ているが花にならない柳のように細い柳芽が出てきますので、摘み取ってしまいます。下の節から側枝が出てきますので、ここから花を咲かせます。7~8月は気温が高く、鉢はむろんのこと、花壇もよく乾きます。この時期は菊が最もよく成長する時期でもあります。水を十分にやりましょう。日中にはしおれていても、夕方や夜には回復しているようにします。

草花の増殖に好適期
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春の花は時期を過ぎ、夏に花を咲かせる草花の苗が出番を待っている時期ですので、春花壇を飾った草花は後片付けをし、後に控えた苗物のために夏花壇の準備をしましょう。春花壇の跡地は、消石灰を1平方m当たり100g程度入れて土を中和して、同200gほどの緩効性化成肥料とバケツ1杯の腐葉土を施しておきます。

球根草花は掘り上げますが、チューリップは地中の温度が上がると根が枯れ、葉が黄色になってくるのでそれを目安にし、他の種類の球根も、曇雨天が多くなり光合成能力が落ちる梅雨時期の前に掘り上げましょう。掘り上げた球根は日陰でよく風乾してから、涼しい場所で貯蔵します。スイセンは3年置きに掘り上げればよいのですが、今年花が咲かなかった株は、一度掘り上げて貯蔵し、来期には大きい株は開花を期待して植え付け、小さい株は来期を養成期間として大きな球根に育て上げるとよいでしょう。

ハナショウブやジャーマンアイリスが開花を終え、株分け・植え付け時期になります。株分け・植え付けは、一般的には2~3年置きですが、毎年の方が育ちが良くなります。時期は花が終わった直後です。植え付け場所の土は酸度を矯正しておきましょう。暑い時期での植え替えですので、植え付け株の葉は3分の2か半分くらいに切り詰めて、水分蒸散を抑えて、しおれを防ぎます。

菊は、前号で記したように日長時間に敏感な植物で、品種によって開花時期がはっきりしています。植え付け時期を早めても遅くしても、時期が来れば、草丈が長くても短くても花が咲きます。そこで、ほどよい草丈で花を見るために、開花予定の3カ月半くらい前の定植を目安にしましょう。一方、挿し芽の発根温度は18~20度で、発根に必要な日数は2~3週間とされています。このことから、挿し芽は開花時期の4カ月ぐらい前にするのがよいでしょう。6月は10月咲きが定植、11月咲きが挿し芽の時期になります。

まき時になる高温好みの草花
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5月は、草花の挿し芽には好適な時期です。

短日植物の菊は日長時間に敏感で、11月開花の大菊はどんなに早く挿し芽しても11月の日長時間にならないと花芽は作られず、花は咲きません。早く定植すると背が高くなってから開花時期になり、遅く定植すると草丈の短いうちに開花期を迎えてしまうことになります。

程よい草丈で花を付けさせる目安として、開花時期の4カ月前に挿し芽して、3カ月半くらい前に定植するとよいでしょう。ですから10月咲きの品種は、5月に挿し芽して6月に定植します。11月咲きは5月、親株を摘心して、側枝数を多くし、挿し芽用穂木を増やしておきます。

アサガオ、ヨルガオ、ペチュニア、ケイトウなど高温で発芽する草花はまき時です。春まきの草花は多くが短日性で、夏至を過ぎて日が短くなる時期でないと花は咲きません。春まきの草花を少しずつまき時をずらしてまけば、草丈の違う姿が楽しめるでしょう。

チューリップは、地温が高くなると根が枯れてきて、葉は黄ばんできますので、この時期が球根掘り上げのタイミングになります。チューリップは植え付けた球根が開花のために使われてなくなり、毎年新しいものができます。新球は大小があります。大きい球根は花を咲かせますが、小さい場合は翌年には花は咲かず、葉しか出ません。しかし、来年1年養成して大きくしてやれば、花を咲かせる球根に育ちます。

サクラソウ(ニホンサクラソウ)はそろそろ花が終わりますが、この後、地際に芽のような新しい根茎ができてきます。この新根茎は乾燥に弱いので、土を掛けて保護して育て、良い株にしてやりましょう。これを増し土といい、サクラソウ栽培では重要な作業です。新根茎が見えたら、なるべく早く増し土作業をします。掛ける土は2~3cmの厚さでよいのですが、雨で流されたら、時々掛け直します。

種まき、植え付け本格化
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4月も草花の種まき時期です。それでも遅霜の心配される地域や、アサガオ、サルビアなど高温を好む物は、種まきを5月まで待ってもいいでしょう。特にアサガオは、日照時間15時間以下にならないと花芽ができないとされていますので、少々種まきが遅れても、生育期間は十分にありますので、ゆっくりまけます。高温を好むこれらの草花は、霜の当たらない場所があれば、そこに種まきをしたり、室内でまいたりして、育苗し大きくしてから植え付ける手もあります。気温が上がってくる時期ですので、意外に早く苗が込み合いますので、注意しましょう。

3月に早まきした草花はそろそろ株間が込み合ってきますので、頃合いを見計らって、定植します。

球根は芽が出ていようといまいと、中旬くらいまでに植え付けましょう。チューリップやスイセンなど秋植えの球根草花は、花が終わったらすぐに花殻を取り除き、球根への負担を少なくしてやります。その後、葉が緑色を失うころになったら、掘り上げます。スイセンはかなり長い間、緑の葉を付けていますが、それでも梅雨入り近くには掘り上げましょう。球根草花以外でも花殻は取り除くようにしましょう。雨がたまって花殻が腐ると病原菌が増殖して、病気のもとになります。

菊は親木作りのために植え替えておいた冬至芽が芽を伸ばし始めたら、挿し穂を増やすため摘心します。まだ冬至芽を植え替えていない場合には、早めに4号くらいの鉢に植え付け、親木作りをします。この株から芽が伸び始めたら、摘心して側枝を出させます。摘心は下葉5~6枚をして先端部を摘み取ります。側枝に本葉5~6枚以上出たころ、これを切り取り、先端の生長葉とその下の本葉2~3枚を付けて挿し穂にします。これが、秋に花を咲かせてくれる株になります。

今から菊作りを始めようとする人は、種苗会社や苗物店で苗を、4月中に購入しましょう。

あなたもチャレンジ! 家庭菜園
イラスト夏に強いスタミナ野菜 モロヘイヤ

モロヘイヤは、暑いほど生育が旺盛な野菜。別名「シマツナソ」「タイワンツナソ」とも呼ばれるアオイ科の1年生植物で、主にエジプトを中心に北アフリカ、中近東で栽培されています。古代エジプトの王が病気になり、医師がモロヘイヤスープを飲ませるとたちまち全快したことから、「王様の野菜」と呼ばれていたそうです。カルシウム、β-カロテン、ビタミンBなどが豊富な野菜です。葉を刻むと粘りが出ます。ただし、子実には有毒物質を含むため、さやの付いた茎葉は食べてはいけません。

[品種]日本に導入されている品種は同系統と思われ、品種分化は見られません。「モロヘイヤ」として販売されています。

[栽培期間]じかまきでは、5月下旬から6月中旬に種まきし、収穫最盛期は7~9月です。

[畑の準備]畑に1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、種まきの1週間前には化成肥料(N-P-K=10-10-10%)100gと堆肥1kgを施し、幅90cmの栽培床(ベッド)を作ります。

[種まき]発芽の適温は30度程度と高温のため、早まきしないこと。準備した栽培床に2条、条間50cm、株間30cmとして、1カ所4~5粒の点まきにします。なお、セルトレイで苗を作り、本葉4~5枚の苗を植え付けても良いでしょう。

[管理]間引きは2回に分けて行い、本葉4~5枚までに1本にします。草丈が60~70cmのとき、地面から40~50cmの高さで摘芯します。追肥は2~3週間置きに1平方m当たり化成肥料50g程度を施用します。茎が赤みを帯びてきたら肥料の不足です。また、十分に灌水(かんすい)すれば、柔らかい葉が収穫できます。

[収穫]収穫方法は、側枝に2~3節を残して、20cmくらいの先端葉を切り取ります。盛夏には2週間置きに収穫できます。なお、花は9月ごろから開花し、10月には結実(さや)します。

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取れたてが甘くておいしいスイートコーン

スイートコーンは温暖で強い日光を好む強健な野菜です。雄花が雌花より先に咲き受粉のタイミングがずれやすいため、集団で育てることが実入りを充実させるポイントです。

[品種]「みわくのコーンゴールドラッシュ」(サカタのタネ)、「おひさまコーン」(タキイ種苗)やバイカラーと呼ばれ黄色と白色が混じっている「ゆめのコーン」(サカタのタネ)などがあります。

[栽培時期]遅霜の心配のない4月下旬~5月中旬が種まき期で、寒冷地では5月中旬~6月中旬です。

[土作り]畑1平方m当たり苦土石灰100gをあらかじめ散布しておきます。次に、畝幅80~90cmを取り、深さ20cm程度の溝を切ります。この溝1m当たり化成肥料(N-P-K=10-10-10%)150gと堆肥1kgを施し、土とよく混ぜておきます。2条まきでは、幅90~100cmのベッドを作り、1平方m当たり化成肥料200gと堆肥2kgとを全面に施し、土とよく混ぜておきます。そして、ベッドを平らにならした後、早まきではポリマルチをします(図土作り)。

[種まき]株間30cm程度1カ所3~4粒の点まきします。ハトに食べられないように、寒冷しゃや不織布のべた掛けをしましょう。なお、1~2株の栽培や1列だけでは、花粉が不足しやすいので10株以上、または2列以上の集団で栽培してください。

[管理]草丈10~15cmで間引く苗を切り取り、1本立てにします。追肥は草丈50~60cmの頃、畝1m当たり化成肥料50gを列の片側に与え(ベッドでは1平方m当たり100gをベッドの両側)、株元へ土寄せします(図 追肥・土寄せ)。そして、上の雌穂を残し、下に付く穂を全て除き、1本1穂にすれば大きい穂になります。なお、脇芽は特に取り除く必要はありません(図 雌穂のかき取り)。

[病害虫防除]雄花がつき始めたころにアワノメイガが葉裏に産卵し、大きくなった幼虫は雄穂や雌穂(子実)に食入します。茎や子実に入り込んだ幼虫を防除するのは困難なので、雄穂が伸びだす頃に殺虫剤を散布します。

[収穫]絹糸が出てから3週間ほどたち、絹糸が褐変して先端の子実が乳白色に着色した頃です。早朝に収穫し、収穫後は急速に甘味が減少するため、早めに冷蔵庫に入れましょう。もちろん、すぐにゆで上げて食べるのが一番です。

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新鮮な味がたくさん取れるサヤエンドウ

栽培管理が楽で失敗も少ないサヤエンドウ。店頭では得られない新鮮さが魅力。家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。

カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。

育て方のポイントを列挙すると次の通りです。

(1)連作畑を避ける

(2)まきどきを誤らない

(3)冬に株が風で振り回されるのを防ぐ

(4)伸び出したつるがよく絡み付くようしっかりした支柱を立てる

サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はエンドウを作ったことのない畑を選びます。

種まきの適期は10月20日前後を目安とします。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うことになるため、寒害を受けやすくなります。種袋の説明と地域の慣行をよく調べて決めます。

サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折りにし下方を土に埋め、簡易の風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。

越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので早めに支柱を立て、これに絡ませるよう、つるを誘引してやりましょう。

支柱材としては、細枝がたくさんつくササや、小枝がよく付いた木の枝が最適ですが、入手できない場合は木くいに横竹を渡し、所々に細わらをつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm)を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。

肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作る程度で足りるでしょう。

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形・色が多彩で楽しみ多いズッキーニ

ズッキーニはカボチャの仲間の「ペポ種」の一つで、つるなしカボチャの別名もあります。他に日本種、西洋種があります。近年消費が急速に伸びて知名度も高まり、今やすっかりおなじみの野菜となりました。主にはキュウリほどの大きさで若取りします。ゴルフボール大のかわいい球形果の品種もあり、バリエーションが豊富です。

種まきの適期は3月下旬からですが、種子は早めに準備しておきましょう。

苗作りは普通のカボチャに準じて、3号のポリ鉢に2粒まきし、本葉出始めの頃間引いて1本立てとし、本葉3~4枚になった頃に畑に植え出します。元肥に堆肥、なたね油かす、化成肥料を施し、畝間130~150cm、株間70cmぐらいに植え付けます。

雌花は短縮した茎に多く付き、開花後の肥大は早いのが特徴です。長形種は20cmぐらいになったら遅れずに収穫しましょう。通常開花後3~6日くらいで収穫しましょう。

多湿を嫌うので、畑の排水を良くするために、図のように短い支柱を、つるを挟むように交差させて立て、固定しましょう。

主な品種としては、長形緑色果の「ダイナー」(タキイ種苗)、「グリーントスカ」(サカタのタネ)、黄色果の「オーラム」(タキイ種苗)、「ゴールドトスカ」(サカタのタネ)、卵形果の「グリーン・エッグ」「ゴールディー」「ブラック・エッグ」(神田育種農場)などがあります。

炒め物、揚げ物、煮物など、さまざまな調理に向くズッキーニ。収穫遅れで大果になり過ぎた場合は、バーベキューにするとおいしくいただけます。

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    風が強い場所ではつるが振り回されないように短い支柱を交差させて立て固定する
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ジャガイモは良い種芋を準備して、適期植え付け

梅の花が咲き終わり、土のぬくもりが感じられる頃(関東南部以西なら3月上旬)になると、ジャガイモの植えどきです。あまり植え付けを急ぐと、地温不足のため芽が伸びてきません。また、植え遅れると、生育の後半期が高温になってしまい、芋の肥大の適温日数が足りず、後期には病害が多発して収穫が十分に上がりません。

種芋を選ぶ上で重要なのは、ウイルス病やその他の病害虫に侵されていない、検査に合格した、種子用として市販されている物を選ぶことです。休眠から目覚め、程よく芽が伸び始めた物を準備しましょう。

種芋の準備で大切なことは、大きい物は各片に芽が均等に付くように、縦に切り割り、1片を25~30gにしておきます。

畑に植え付けるに当たっては、芋の切り口を下方に向けるように植え付けます。切って2~3日置き、断面を乾かして植えるのが良いともいわれていますが、良い種芋ならすぐに植えても差し支えないでしょう。

ジャガイモの品種は、長年の代表品種の「男爵薯」「メークイン」などだけでなく、各種の用途に向く個性派の新しい品種がお目見えしてきました。例えば「キタアカリ」(粉質、煮上がりが早く、レンジ調理にも)、「キタムラサキ」(皮、果肉共に紫、煮崩れ少)、「インカのめざめ」(濃厚で独特な風味、煮物、チップ、フライ、レンジ調理にも)、アンデス赤(粉質、良食味でサラダに向く、βーカロテン含量多)、「十勝こがね」(煮物、フライ、加工調理にも、貯蔵性高い)などです。「花標津」「レッド ムーン」「ワセシロ」「ベニアカリ」「マチルダ」など、花色や花形を楽しめる品種もあります。

これらの新しい品種の種芋は、出回り量が少ないので、早めにJAや種苗会社に手配しておく必要があります。

ジャガイモは低温でもよく育ち、わずか3カ月余りで種芋の15倍も収穫できるので、早くから子芋をたくさん付けます。これらは早掘り(探り掘り)して、新鮮な春の味を十分楽しみましょう。

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    左右で芽が均一になるように縦に切る
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    70~80gくらいの大きさなら2個に切り、さらに大きい場合は3~4個に切る
春取り小カブのトンネル栽培

立春が過ぎ、日差しの強まりを感じ始める頃になると、今年の家庭菜園の仕事始めです。一番先に種まきできるお薦めの野菜は小カブです。

トンネルで被覆し、保湿すれば4~5月に白肌できめ細かく肌触りの良い、おいしい小カブが楽しめます。

種のまきどきは2月中旬です。寒い地域では気温差を考慮して種まきを遅らせましょう。

種のまき方は、畑に1m幅のベッドを作り、全面に完熟堆肥と菜種油かす、化成肥料を均一になるようにばらまき、15cmほどの深さによく耕し込みます。そしてまき溝をくわ幅よりやや広め(17~18cmぐらい)に3列、溝底が平らになるよう丁寧に作り、溝の外にはみ出さないよう注意しながら、ジョウロでたっぷり灌水(かんすい)しておきます。発芽ぞろいまでトンネルは除覆しないので、このことを考えて十分に灌水してください。

種まきはまき溝の中に種間隔が1.5~2cm離して満遍なくまき、その上に1cmぐらいの厚さに覆土します。トンネルの裾には土を掛けて密閉して発芽を促します。種まきしたらすぐ密閉してしまうので、発芽と初期生育に必要な量を十分灌水しましょう。

発芽して本葉2~3枚に育ったら、トンネルの頂部に小穴を開けて換気し、さらに内部が日中30度を超すようになればトンネルの裾も開けて気温の上昇を防ぎます。

育つにつれて株間が込み合わないよう間引きをし、灌水を適宜に行って乾き過ぎないよう注意してください。また、生育中は、葉の緑が淡くなりかけた頃に、溝の外側に化成肥料をばらまいて追肥します。

球径が5cm内外に育ったら収穫開始です。途中で間引いた物も上手に利用しましょう。春の小カブは葉も柔らかですので、汁の実や漬物にしてもおいしくいただけます。

トンネル換気、除覆すると、コナガ、アブラムシ、ヨトウムシの幼虫などが害するので、発生状態に注意し、初期に適応殺虫剤を散布して防ぎましょう。

小カブはその後も次々に種をまいて栽培できます。

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    裾には土を掛けて密閉。風に飛ばされないようにする。
    3月半ばを過ぎたら開けて換気する
ニラは早めの株分けと更新

肉との料理の相性が良く、スタミナ料理などに親しまれるニラは、多年草で一度植えておけば、毎年、年に数回収穫できるので、家庭菜園に適した野菜といえましょう。しかし、いくら強いといっても2~3年取り続けると、株が密生気味となり、幅広で厚みのある良い葉が収穫できなくなってしまいます。そうなる前に早めに株分けし、更新するのが得策です。

株分けに一番良い時期は、葉が枯れ根株が休眠状態に入っている冬の間です。この頃は根に栄養が十分蓄えられているので、断根や株の分割という荒療治をしても、傷みが少なく、作業がしやすいからです。

株分けの方法は、まず地上に残っている枯れ葉を、5cmぐらいの高さで、鎌できれいに刈り取ります。そして株の周りにくわかスコップを大きく打ち込んで、根株を土から掘り起こします。根は強大で、密に広範に広がっているので、全てを一気に掘り取れないので、中途で縦に切断しても構いません。

掘り上げたら土を振るい落とし、指先に大きく力を入れて大割りし、さらに小割りして、図のように2~3本ずつに分割します。これを2~3個まとめて、20~25cmの株間に植え付けます。

植え溝は事前に、8~10cmぐらいに深めに掘り、元肥として堆肥や油かす、緩効性の化成肥料などを十分に施しておきます。植える際には、根株を束ねないで、平置きにするよう心掛けましょう。

溝は深めに掘って植えた根株を換気や乾燥からも守ってやります。覆土は株の上部がやや出るくらいにとどめておき、やがて新葉が伸びだしてきたら、葉先を埋めないよう注意しながら、2回ほど覆土をして、溝が埋まるように管理します。

そうすると春には見違えるほどに、勢いの良い、良質なニラになります。

株が増えてきたら銀色のフィルムを畝上に二重掛けし、さらに黒色フィルムで覆い、黄ニラに育ててみるのも楽しみです。なお、販売用の高品質な物は、毎年種まきして育てた苗を植えて、年間随時販売する物で、通常古株は利用しません。

 

【訂正とお詫び】
  誤  溝は深めに掘って植えた根株を換気や乾燥からも守ってやります。
  正  溝は深めに掘って植えた根株を寒気や乾燥からも守ってやります。

 

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    力を入れて大きく掘り起こす
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    指先で2~3本ずつに分割する
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冬の手入れが翌年の出来を決めるアスパラガス

アスパラガスは野菜の中では長命で、一度植えれば数年は収穫が楽しめます。毎年良い収穫物を得るには、冬の適切な手入れが大切です。

若芽の収穫を一定日数で打ち切り、芽を伸ばしたままにすると、葉が開いて丈が伸び、葉の光合成作用が旺盛に行われ、秋になると同化養分が根に蓄えられ、11~12月には株全体が休眠に入ります。霜が3~4回降りると葉の黄化が進み、休眠はいっそう深まってきます。

ここから先の手入れで大事なことは、葉が完全に黄変し、休眠が深まっている頃を見計らって、地際から5~6cm上のところで葉を刈り取ります。この枯れ葉には茎枯れ病などの病原菌が付いているので、落ちた枯れ葉と共に畑の外に持ち出し、焼却または廃棄します。この処置が不十分だと、病原菌が茎葉の中で越冬し、翌年の発生源になるからです。できるだけ丁寧にかき集めて処分することが肝心です。

これら病害が発生すると、数年たった大株でも枯死し、大減収になってしまいます。

茎葉をきれいに片付けたなら、まず株元に多くの土寄せをしていた場合には、土を畝間に戻します。土寄せが少なかった場合には、そのまま畝間の通路部分を中耕しながら、畝の両側に深めの施肥溝を作り、その中に粗大堆肥(発酵度は中程度)と油かす、緩効性の化成肥料を施し、アスパラガスの根株を深く埋めるようにし、畝上に土を大きく上げておきます。こうすることで根株を冬の寒気から守ることができます。寒さが厳しい地域ほど土を大きく盛り上げることが大切です。

こうして越冬後の3月ころ、芽の萌芽(ほうが)に支障のない程度に土を取り除き(寄せ土戻し)、畝間に土を落とします。このとき春の追肥として、化成肥料や有機配合の肥料などを、1株当たり各大さじ3杯程度を目安に与えておきます。再三土を動かすことにより、地面付近に落ちていた雑草の種子の発芽を抑えられ、翌年の除草の手間が省けます。

栽培年数が長くなり、株元の根系が過密になり、株全体が浮き上がるようになったら、冬の休眠中に株全体を掘り上げ、分割して他の畑に、株間を広げて植え替えることで、再び勢いは回復するでしょう。

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    全体の育ち方
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    葉が完全に黄変したら地上部を刈り取る
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    畝間の通路部分を中耕しながら施肥
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    畝上に土を大きく盛り上げ防寒する
サトイモの収穫と上手な貯蔵のコツ

サトイモの主成分はでんぷん類、このでんぷんは加熱すると糊化し、消化吸収しやすくなります。カリウムは芋類の中では最も多く、高血圧予防に効果的です。

タンパク質、ビタミンB群、Cなどを多く含み、栄養価が高いのが特徴、しかも食物繊維も豊富で水分に富み、意外に低カロリー、体重が気になる方にもお勧めです。

秋になって盛んに育ち、芋が肥大したサトイモは、晩秋に入ると育ちが止まり、収穫期を迎えます。

収穫適期の目安は、葉の緑が黄化し始め、葉が少し垂れ気味になった頃です。サトイモは寒さに弱く、1~2回霜を受けただけで葉は容易に枯れてしまいますが、この頃が収穫の限界です。掘り遅れると品質を損ねるだけでなく、貯蔵した場合の故障芋が多くなってしまいます。

収穫するに先立って、図のようにあらかじめ葉身を地上5~6cmの高さで、鎌で刈り取っておきます。芋や根は強大に太っているので、株の側方に大きくくわを打ち込んで、子芋や孫芋を外さないよう注意して、株全体を丁寧に掘り上げます。

すぐに利用する場合は、その場で全ての子芋、孫芋、ひ孫芋を親芋から取り外します。多数の株を効率よく取り外すには、外側の外れやすい子芋を取り除き、残った株を手で持ち上げて、大きなビール瓶などで横から強く打つと、案外傷つかずによく外れ落ちます。

貯蔵する場合には、子芋、孫芋などを外さないよう、特に注意して取り扱いましょう。外れてしまうとその傷口から傷み始めるので、貯蔵中の故障株が多くなります。

貯蔵する場所は排水の良い畑を選んで、幅40~50cm、深さ60cmぐらいの貯蔵穴を設けます。そして掘り起こした株を丁寧に運び、地上部の切り口を下方に向けて丁寧に積み重ね詰め込みます。反対に詰めると子芋が離れやすく、傷口から腐敗する芋が多くなります。

貯蔵穴を全部詰め終わったならその上に麦わら、稲わら(カヤが得られれば最高)などで覆い、5~6cm覆土しておきます。さらに厳寒期に入った頃に10~15cmの覆土を追加して寒さから守ります。

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たくさん育て、たくさん食べよう タマネギ

切ると出る涙の原因は硫化アリル、ビタミンB1の吸収を助けて新陳代謝を活発にし、コレステロールの代謝を活発にし、血液をサラサラにして動脈硬化や高血圧、糖尿病を予防する効果もあります。近年明らかになったところによると、野菜の中では最も細菌病、大腸菌などを寄せ付けず、安全性では極めて優れていることが裏付けされています。

タマネギは病害に強く、毎年同じ畑でも作れるので、自家菜園の作付けにとっても大変有利です。貯蔵力もあり、使い道も幅広いので、たくさん育てることをお勧めします。

家庭菜園では、通常晩秋に出回る苗を買い求めて育てる場合が多いのですが、ご承知のようにタマネギは黄、白、赤の品種があり、収穫期の違う極早生、早生、中生、晩生と特徴のある数々の品種があります。

これらを上手に育て楽しむには、自分で好みの品種を選び、種子から育てる必要があります。特に直売など販売を目的とする場合は、苗代の負担も大きくなってしまいます。

種まきの適期は、極早生8月下旬~9月上旬、早生9月上旬、中生9月中旬、晩生は9月下旬です。適期まきはとても重要なことなので、地元のJAや種苗専門店、栽培農家などに聞いて決めることが大切です。特に中晩生の品種を早くまき過ぎると、越冬するまでに大きく育ち過ぎ、寒気に感じ過ぎてとう立ちするものが多く、失敗します。

苗を上手に育てるには、苗床の前作を早めに片付け、種まきの20日以上前に完熟堆肥と石灰、化成肥料をよく耕やしておきます。トマト、ナスなどの強い根が残る野菜の跡地は避けてください。

種まき前にベッドを作り、図のように丁寧にベッドの表土をならしてから約1~2cm間隔ぐらいに均一に種をまきます。そしてふるいで2~3mmほどの厚さに、満遍なく覆土し、板切れなどで軽く表土をたたいて鎮圧し、その後ジョウロでたっぷり灌水(かんすい)します。

その上に細かく砕いた完熟堆肥をごく薄く覆い、その後苗床全面を稲わらやべた掛け資材を二重に覆い、残暑や乾燥、台風や強風の被害から守ります。

種まき後5~7日で発芽し苗が伸び始めたら、これらの被覆資材は取り除き、ジョウロでたっぷり灌水して生育を促します。

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おいしくて形の良いダイコン作りのポイント

ダイコンは、強大な根を速いスピードで地中に形成するので、根形や品質が土壌や肥料栄養の影響を受けやすい性質を持っています。

そのためには、次のポイントを押さえて育てることが大切です。

(1)畑の準備と元肥の施し方

少なくとも種まきの20日以上前に畑全面に石灰をまき、石ころや木切れなどを取り除きながら30cm以上の深さによく耕します。吸肥力は強い方なので、前作に堆肥が施してあれば、特に堆肥を与える必要はありません。

痩せ地で有機物不足が心配なら、完熟堆肥と有機配合肥料をよく混ぜ合わせ、事前に醗酵させた物を、株と株の間に当たる所に施し、根の伸びを妨げないようにします。

(2)まきどきを守る

早まきし過ぎると病害虫の被害を受けやすく、遅過ぎると根の肥大不足になります。関東南部以西の温暖な平たん地のまきどきは8月中旬~9月中旬です。品種による違いもあるので、種子を求めるときに適期を確かめ、適期範囲のやや遅めにまき、管理を入念にして成長を促進するよう心掛けましょう。

(3)間引きと追肥、入念な土寄せ

種子は1カ所5~6粒を、瓶などで円状に付けた溝にまきます。発芽して本葉1枚の頃から8~9枚の頃にかけて3回ほど間引き1本立てにします。間引く際には、子葉がハート形で素直に開いている株を残すようにします。異常に育ちの早い株や、形が非対称の株は、岐根や短形になる場合があるので残さないよう注意しましょう。

間引いたら株の周りに土を寄せ、風で振り回されないように保護し立ち上がらせます。追肥は第2回の間引き時から半月ごとに3回ほど与え、土を掛けて畝を作ります。肥料は化成肥料と油かすに加え、米ぬかを混ぜると食味が良くなります。

(4)害虫の予防、駆除を怠りなく

アブラナ科野菜の常として各種の害虫(シンクイムシ、コナガ、アブラムシ、ハスモンヨトウなど)の被害が出やすいので、早めに発見、適応農薬を散布して防ぎます。

農薬に頼らない防除法としてはソルゴーを何列か置きに作り障壁にすること、防虫ネットやべた掛け資材の被覆などがあります。被覆は種まき後3週間以内ぐらいにしないと生育に支障を来すので、除覆する時期に注意してください。

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タマネギのまきどきと上手な苗作り

タマネギはあまり早くまき過ぎると冬に入る前に大きく育ち過ぎ、低温に感応してとう立ちする場合が多く、失敗しがちです。適正なまきどきは早生種9月上旬、中生種9月15日前後、晩生種9月20日ごろです。

タマネギは土壌の酸性に弱い(最適pHは6.3~7.8)ので、苗床の予定地は早めに石灰を施し、20cmぐらいの深さによく耕しておきます。

苗床は幅80~100cm、高さ15~20cm(低温地では幅を狭く、高さを高くする)とし、あらかじめ化成肥料を全面にまき、深さ15cmぐらいに耕し込んでおきます。

種まきは床面をきれいにならして、3.3平方m当たり40ml内外の種を均一にばらまきます。その上に草木灰を種が見えなくなる程度に掛け、さらにそれが見えなくなる程度にふるいで土を均一に掛け、板切れなどで軽く押し付け、鎮圧します。その後細かく砕いた完熟堆肥、またはもみ殻で土が見えなくなるくらいに覆います。そしてたっぷり灌水(かんすい)し、稲わらで全面を覆い、強い降雨や、強日光による乾燥を防ぎます。

通常6~7日で発芽しますから、全体に発芽し1~2cmに伸びたら、被覆していた稲わらは取り除きます。乾いていたら全面にたっぷりジョウロで灌水し、そろった発芽を促します。

草丈が3~4cmに伸びた頃、密に生えたら間引き、1.5cmぐらいの間隔にします。間引きの後、少量の化成肥料を追肥し、ふるいで土を掛けて土入れします。

苗が7~8cmの丈になった頃、前と同様に第2回の追肥をします。

この頃は秋雨が降り続くことが多く、葉の一部がぼんやりと黄化するべと病が発生しやすいです。この苗床で発生を許すと春先になって本畑で多発しやすいので、早いうちに適応薬剤を、展着剤を加えて散布し、完全に防除しておきます。

11月上~中旬になり苗の大きさが草丈20cm内外、太さが5~6mmぐらいになったら畑に定植します。苗取りは、床が乾いていたら十分灌水し、根をできるだけ切らないよう、大きい株からできるだけそろえて引き抜きます。こうすれば本畑での早い活着は請け合いです。

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    草丈3~4cmの頃、混んでいる所を間引く
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    間引き後、化成肥料を少々ばらまき、ふるいで土入れする