JAグループ神奈川2021.09
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JAグループ神奈川 2「早期警戒制度の導入に向けた今後の取り組みについて」①早期警戒制度見直しの経緯 金融機関が地域で金融仲介機能を継続的に発揮するためには、持続可能なビジネスモデルの構築と将来にわたる健全性確保が必要との考えから、国は監督指針の早期警戒制度にかかるモニタリング等の枠組みを見直しており、既に地方銀行や農林中央金庫・信連には適用されている。 ア)早期警戒制度と見直しの概要    早期警戒制度は、収益性、信用リスク、市場リスク、流動性リスクの4つの視点から、各々設定された基準(非公表)に該当したJAに対し、監督当局がその原因や改善策等について、分析・対話を行い、必要な場合に報告徴求命令や業務改善命令を発出するものである。    信用事業をはじめとしてJAを取り巻く環境が厳しさを増すなか、JAが総合事業体として機能を発揮し続けられるようにするため、早め早めの経営改善を促し、JA経営の将来にわたる健全性を確保する必要がある。そのため、収益性の視点(全事業が対象)について、現行の「足下の実績」に基づくモニタリングから、「将来の見通し」に焦点をあてた「持続可能な収益性・将来にわたる健全性」の観点によるモニタリングに見直すこととされ、今後、パブリックコメントの手続きを経て改正され、令和3年度決算から適用される見通し。 イ)実施の流れ    監督当局が収支、財務のシミュレーションを踏まえ、一定の懸念のあるJAを抽出(ステップ1)し、抽出されたJAは自ら実施するシミュレーションに基づく見通しや改善施策について、監督当局と対話(ステップ2)、その結果、将来の健全性が危ぶまれると監督当局が判断したJAに対し、報告徴求命令や検査でさらに深度ある検証を行い、確実な改善が必要な場合には、業務改善命令を発出する(ステップ3)ものである。② シミュレーションの実施を通じたPDCAサイクルの確立 金融緩和政策の継続によりJAの経営環境は厳しい状況が継続するなか、JA経営基盤の確立・強化に向けて、各JAが将来収支のシミュレーション結果に基づく店舗機能の見直し・再構築、営農・経済事業の採算性改善など経営改善施策の実践に引き続き取り組むこととしている。シミュレーションについては、早期警戒制度で自ら想定する見通しを説明するツールとして求められていることに加え、閣議決定された規制改革実施計画でJAが構築すべきとされた「自己改革実践サイクル」においてもJA自らによる「全事業の中長期収支シミュレーション」の実施が盛り込まれている。このため、JAにおいてはシミュレーションによる効果測定の定期的な実施と、目標利益の確保に不充分な場合にはさらなる経営改善施策の策定、事業計画へ織り込み進捗を管理するといった経営管理・経営改善のPDCAサイクルの確立が求められる。③経営基盤確立に向けた組織再編の検討 JAごとに経営管理・経営改善のPDCAサイクルの確立を進め、持続可能な経営基盤を確立・強化する一方で、担い手農家・農地など営農・経済事業の事業利用基盤が縮小するなか、営農・経済事業機能を継続的に提供していくため、県域における事業連携や機能維持に向けた合併等、組織再編等の検討も課題となっている。 2.経営管理の課題 令和2年度「神奈川県JAの現況と課題」では、JAにおける経営管理の課題として以下の6項目を取り上げている。①農協改革への対応②早期警戒制度の導入に向けた今後の取り組みについて③監事監査・内部監査の充実強化④不祥事件等未然防止に向けたリスク管理態勢の強化⑤SDGs達成に向けたJAグループ神奈川の対応⑥インボイス制度への対応について今回は上記の中から特に②について紹介する。

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