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毎日新鮮!旬の野菜



ゆでてもニラやホウレンソウよりビタミンCがたっぷり。

『ナノハナ』


  江戸時代まではもっぱら菜種油を搾るためだけの植物でしたが、明治時代に入って菜の花も“文明開化”して西洋種が導入され、観賞用、食用にも用いられるようになりました。食用にするのは開花直前の若いつぼみと茎葉です。これを特に菜花(ナバナ)とも呼びます。




菜の花(画像)

  菜の花は、夏から秋にかけて葉や茎や根に蓄えた養分をもとに冬を越え、さらにその養分を力に早春に芽を出します。菜の花が八百屋の店頭に並ぶと、もうすぐ春です。


  菜の花の栄養素で特徴的なのは、ビタミンCが多いこと。洋種ナバナはゆでた場合でも、ホウレンソウの約3倍、ニラの5倍もあります。ビタミンCは白血球の働きを強めて病気に対する免疫力を強化し、皮膚に対してはメラニン色素の沈着を防ぎ、コラーゲンを作る働きを促進します。さらに緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンも豊富です。また、他の野菜には少ないタンパク質が多く含まれているため、コクのあるうまみを楽しめるのも特徴です。


  こうした栄養素を十分に生かすには、さっとゆでること。ゆで過ぎるとせっかくのビタミンCが減少してしまいますし、持ち味のシャキッとした歯ざわりも損なわれます。数秒で引き上げるか、湯通しする程度で大丈夫。真っ青にゆで上がり、時にはつぼみの中にある黄色い花も鮮やかに仕上がります。


  菜の花は独特の香りと苦味が身上です。おひたしはもちろん、カラシ和え、ワサビ合え、一夜漬け、サラダなどでもどうぞ。


食のエッセイスト:神山真理


<資料:JA広報通信>



香りとほろ苦さが春を呼ぶ、健康山菜

『フキノトウ』


  小さいころ「どこかで春が生まれてる、どこかで芽の出る音がする」という童謡を聞いて、春になると新芽が「ポン、ポン」と音を立てながら出てくるのかと思っていました。


  まさにこの歌のように雪を破って芽を出すフキのとう。その花軸が伸びたものがフキですが、栄養は新芽のフキのとうの方にたっぷりと詰まっています。

フキのとう(画像)

  まず注目すべきは、カリウム。フキのとうには、フキの約2倍のカリウムが含まれています。カリウムは血液中の不要なナトリウムを排出させ、血圧を下げてくれるので、高血圧が気になる中高年には大切な栄養素です。そのカリウムとクロロゲン酸による独特の香りとほろ苦さは、食欲を増進させ、胃を丈夫に保つ効果があるといわれます。


  もう一つは、β─カロテンです。このβ─カロテンも、フキと比べると豊富に含まれています。また、粘膜を強くする作用があり、風邪の予防に役立つといわれ、がんの抑制にも深くかかわっています。


  そしてフキのとうは、みずみずしい美肌づくりに効果があるビタミンCも含んでいます。


  このように栄養価の高いフキのとうは、昔から春の山菜として親しまれ、みそ汁の実としてもよく登場しました。


ところで、フキのとうの花軸のことを「薹(とう)」といい、「薹が立つ」とは硬くなり、若さが失われてしまうことを指します。体に必要な栄養素をフキのとうから取り入れて、いつまでも若々しくありたいものです。


参考文献

『クスリの食べ物』(西東社)

『野菜&果物図鑑』(新星出版社)

『新食品成分表〈2007〉』(一橋出版)


食のエッセイスト:神山真理


<資料:JA広報通信>



血液をサラサラにする成分がたっぷり

『新タマネギ』


  タマネギの主な栄養素は炭水化物とビタミン類ですが、昔から薬効のある野菜として知られています。古代エジプトではピラミッド建設に携わった労働者の滋養強壮の食料として栽培され、またイギリスでは疫病がはやった際、タマネギ売りはその殺菌作用の恩恵を受けて伝染を免れたという話も残っています。さらに、ブルガリアでは長寿薬として、フランスでは頭痛の鎮痛剤、利尿剤として使われていたそうです。

「タマネギ(新)」(画像)

 こうしたさまざまな効用のほかに、最近、注目されているのは、血液をサラサラにする血栓予防効果です。その効果をもたらす主な成分は、アリシンです。これはタマネギを切った時に生じる独特のにおいの素になる成分で、毛細血管を広げ、新陳代謝を高め、血液の循環をよくする働きをもちます。また、体内に入ったビタミンB1を吸収しやすくする働きもあります。


  ところで、タマネギを切ると涙が出ます。これは切ったときにタマネギの細胞が破壊され、酵素と反応し、催涙物質に変化するためです。この催涙物質は他の物質と反応し、イオウ化合物をつくります。これが血液中の血小板の凝集を抑える作用をもち、これにも血液をサラサラにする効果があります。このイオウ化合物は水に溶けやすいので、血栓予防には切ってすぐに生で食べると効果的だと言われています。といっても、タマネギは料理の名脇役として加熱調理することも多いもの。加熱する場合は切った後、15分以上放置してからにしましょう。それなら効果は失われません。


食のエッセイスト:神山真理


<資料:JA広報通信>



食物繊維もカリウムもたっぷりの健康キノコ

『エリンギ』


  近年、キノコ類には抗がん効果があるといわれています。これは、キノコに含まれるビタミンB2が、がんの発生にかかわりの深い活性酸素の働きを抑え、さらにグルカンなどの多糖類が体の免疫能力を高め、がん細胞を攻撃してくれるからです。


  エリンギもそんなキノコの仲間であると同時に、もう一つ、食物繊維に富むという特性を備えています。「エリンギが大好き」という知人にその理由を聞いてみたら「歯ざわりがいいから」とのこと。この歯ざわりのよさは、豊富な食物繊維によるものです。その量は、便秘によく効くサツマイモよりも、すじがいっぱいのフキノトウよりも多いのです。食物繊維は腸を掃除し、コレステロール値を下げ、高血圧、動脈硬化を抑えるなど、生活習慣病予防には大変効果的です。

エリンギ(画像)

  エリンギは、カリウムが多いことも注目すべきところです。カリウムたっぷりといわれる果物類、たとえばネーブルの2.5倍、スイカの4倍弱にもなります。カリウムは利尿作用を促進させて体内のナトリウムを外に出す働きがあり、高血圧を改善するのに役立ちます。


  また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含んでいます。このように栄養豊富なエリンギをたくさん食べるには、まず、かさを減らすために、揚げたり、炒めたりするといいでしょう。汁物に入れたら、栄養分がしみ出た汁も残さず飲みましょう。汁にはエリンギのだしが出てうまさ抜群。しかもエリンギ自体にはカロリーがほとんどありません。栄養があって、ヘルシーな食べ物です。


食のエッセイスト:神山真理


<資料:JA広報通信>



食物繊維・ビタミンCに富んだ、めでたい野菜

『レンコン』


  「今年も真っ白に仕上がったねえ」。大みそかの夜、重箱に「酢ばす」を詰めながら、母はよくこう言ったものです。茶色いお煮しめが多いおせち料理の中で、酢ばすは白く輝いていました。当時を思い出して、私も毎年作るのですが、シャキッとした歯応えも酸味も、母の作品にはまだまだ及ばないようです。



レンコン(画像)

  酢ばすの材料となるレンコンですが、穴が小さめで節と節との間が長く、太いものを選びます。穴はハスが葉から取り入れた空気を地下茎に送り込むための通気孔なので、スッと通ったものがいいのです。


  レンコンの主な成分は、炭水化物と食物繊維。炭水化物は、私たちが体を動かすための大切なエネルギーとなります。また食物繊維は、おなかの中を掃除して、老廃物を体の外に出してくれます。コレステロールの低下も望めます。


  根菜類の中でもレンコンには、ビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは、体内の粘膜を強化するため、疲労回復を促し、風邪を予防する効果があります。また、潤いと張りのある美しい肌づくりも望めます。


  レンコンを切ると出る「ネバネバした糸」には、栄養価の高い「ムチン」という成分が含まれています。納豆などにも含まれるムチンは、タンパク質や脂肪の消化を助け、胃もたれや胸焼けを改善するといわれます。


おせち料理に酢ばすが入っているのは、穴が通っているので、「先が見通せる」という言い習わしもあります。おめでたい野菜なのですね。そして飲み食いの過ぎるお正月の胃を整えてくれる、大事な野菜でもあります。

 

参考文献

『野菜&果物図鑑』(新星出版社)

『野菜の手帖』(講談社)

『クスリの食べ物』(西東社)

『新食品分析表』(一橋出版)


食のエッセイスト:神山真理


<資料:JA広報通信>



歯ざわり楽しく、鉄分やカルシウムもたっぷり

『ミズナ』


  水菜は、古くから京都で作られていた冬野菜です。そのため京菜とも呼ばれます。くせのない味、シャキシャキした食感、茎と葉のさわやかな色などが現代人の好みにも合い、おひたし、あえ物、鍋料理など和風のメニューにはもちろん、最近ではサラダの材料としても人気上昇中です。


  水菜の栄養素を調べてみると、その繊細な姿にもかかわらず、意外にも鉄分とカルシウムを多く含んでいます。鉄分は、水菜と同じようにシャキシャキした根ミツバよりも、鍋物によく使われるシュンギクよりも多く含まれています。

ミズナ(画像)

 

  鍋物やすき焼きに使うことが多いですが、油やタンパク質と共に取ると、カロテンの吸収率が高まるので、ごま油やオリーブ油を使って調理したり、肉類と一緒に食べるとよいでしょう。


  鉄分は血液中のヘモグロビンを作る成分で、貧血の予防に役立ちます。鉄分は体内で吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCと一緒に取ると吸収が高まります。幸いに水菜はビタミンCに富んでいるので、サラダなどにすれば、鉄分もビタミンCも効果的に取れます。


  もう一つ、カルシウムがたっぷり含まれていることも特筆すべきこと。その量はカルシウムが多いといわれている小松菜をしのぎます。カルシウムは丈夫な骨や歯を作り、また神経のイライラを鎮める働きのある栄養素ですが、日本人は常に不足しているといわれています。水菜を使ったメニューでカルシウムを補いましょう。


  淡白な味なので、さまざまな料理に活用できます。生で食べるほか、肉と一緒に炒めたり煮たりしてもいいでしょう。水菜が肉の臭みを消してくれるため、さっぱりと仕上がります。そのときもシャキシャキ感を残して仕上げると味わいがあります。

食のエッセイスト:神山真理


<資料:JA広報通信>


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