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営農だより2008年8月  県農業技術センター試験研究報告
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三浦半島におけるニンニク栽培試験

ニンニクは、中央アジア原産のユリ科ネギ属の野菜で、アリシン(アミノ酸)が独特の芳香をもち、殺菌作用や滋養強壮、抗ガン作用等の効用が知られています。
国産比率は約4割で、その7〜8割を青森県が占めています。
一方、輸入の99%は中国産ですが、平成20年1月にあった中国製冷凍ギョーザ事件以降、急激に輸入量が減っています。安全性や安心感などから国産志向が高まり、地産地消を求める消費者も増える中、地場産ニンニクの人気が高まっています。

 

■試験目的

当所では、三浦半島農業(冬作)のダイコン、キャベツと競合しない経済作物としてニンニクの有効性を検討しています。特に、温暖な気象条件に合った品種の選定や高品質安定生産のための栽植密度、自家生産による種球利用等について、栽培試験を行っています。

 

■試験方法

暖地系品種「平戸」「嘉定(かてい)」、寒地系品種「福地ホワイト」、参考品種として「ジャンボニンニク」を平成18年10月13日に幅90pのベッド(玉ネギ用穴あき黒マルチ使用)に植え付けました。
土づくりとして、10a当たり牛ふん堆肥を1t、顆粒タイニーを100s、ハイマグB重焼燐を60s、基肥をN成分量で15s施用しました。種球は植え付け前にベンレートT水和剤で消毒し、土壌も定植前にバスアミド微粒剤および太陽熱で消毒しました。また、生育中に殺菌剤および殺虫剤を各2回散布しました。
収穫は、とう摘みから約10日後(下葉が3〜4枚枯れた頃)を目安に行いました。収穫後、ガラス温室内で約2〜3週間自然乾燥させた後、球重等の調査を行いました。

 

■結果

1. 品種比較の結果は、表1のとおりでした。寒地系の「福地ホワイト」は、りん茎(球重)が大きく、球色およびりん片色は鮮やかな白でしたが、りん片の未分化なものが多くありました。暖地系の「嘉定」は、りん茎が小粒で、裂球がやや多くありました。りん茎の大きさや裂球の少なさ、りん片の発達などの点から、暖地系の「平戸」が有望でした。



2. 栽植密度試験の結果は、表2のとおりです。「平戸」「嘉定」いずれの品種においても、密植区(うね間15×株間15p)に比べて普通区(うね間15×株間30p)の球重は4〜7割大きくなりました。また、普通区の方がりん片数も多く、1つのりん片(最大りん片重)も大きくなりました。


 

■まとめと今後の課題

  1. 平成18年度試験の結果、品種は暖地系の「平戸」が有望でしたが、引き続き、三浦半島に合った品種の選定を行っていきます。
  2. 経営費のうち種球費が占める割合が高いため、自家どりによる栽培体系について平成19年度より試験を行っています。その結果、自家どりした場合、発芽の不揃いや生育不良、ウイルス感染等の問題が生じる恐れがあることがわかったため、引き続き検討を行う予定です。
  3. 栽植密度等の肥培管理について、安定生産や品質向上の点から検討を行っていきます。

■栽培のポイント

  1. 酸性土壌ではうまく育たないため、pH6〜6.5を目安に酸度矯正を行います。
  2. 根が浅く乾燥には弱いため、保水性の高いほ場を選び、必要に応じて堆肥を1〜2t/10a投入します。
  3. 施肥は窒素成分量で10s/10a程度とし、特に窒素過多にならないように注意します。
  4. ネダニや春腐れ病(細菌病)の被害で失敗するケースが多いので、健全な種球を使うことや定期的な予防散布を徹底します。
  5. 収穫の目安は、葉の3〜4割が枯れる頃ですが、マルチ栽培では球の生育が早いため、枯れる前に裂球が進んでいることがあります。早めに試しどりして、適期収穫するようにします。
  6. 収穫後の乾燥も大切です。晴天日に収穫し、畑で2〜3日十分に乾燥させ、その後納屋等で十分に自然乾燥させます。


 

 
   

 

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