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家庭菜園

四季の花づくり
楽しみを胸に本格作業
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本格的な花壇作業の時期になります。

秋まきした草花苗は、日中には防寒用の覆いや保温施設内に外気を通わせて、締まったものにして、植え広げて細根を増やすよう努めます。

草花の種まきは、ソメイヨシノ桜の開花時期を目安にします。気温が低いとか、霜の心配がある所などで、少しでも早く花を見たいのなら、桜が咲く時期まで待たず、鉢に種子をまいて室内やフレーム内に置き、発芽させてしばらく育てて、花壇に植えるとよいでしょう。球根草花は4月になってから植え付けるのが一般的ですが、室内やフレーム内で植えて養成して、花壇に植え出せば早く花が見られます。この早まきの手法と普通時期の種まきの物を組み合わせれば、花を楽しむ時期の幅が広げられます。

宿根草の株分け、植え付けの時期は、春の適期になります。

真夏の7~9月ごろ長期にわたって、次々とにぎやかに花を咲かせ続けてくれるクサキョウチクトウ(オイランソウ、宿根フロックスとも呼ぶ)など宿根草は、植え付けて3~4年もすると根株が増えて密生してくるので、株分けし、植え替えるようにします。根際に芽が付く宿根草では、芽が土の上にわずかに顔を出したころに、株分けをすればいいでしょう。株分けは3~5芽を付けて行います。

宿根草花では、5月に豪華な開花を期待していたシャクヤクが、つぼみのまま黒ずんで咲かなかったことはありませんか。褐斑(かっぱん)病や灰色かび病に侵された可能性があります。3月に芽が出てきた後、つぼみが大きくなるまで2週に1回くらい、薬剤散布をして防ぎましょう。また、芽が動きだす前に施す「芽出し肥え」も大切です。

一足早く動きだす宿根草
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立春を過ぎると、わが国のどこでも、気温は上昇期に転じます。草花も反応し始めます。まず、日本の山岳地帯の湿地が生まれ故郷であるサクラソウが2月上旬に動き始め、やがて多くの宿根草が根の活動を活発にします。そのころ、サクラソウは芽分け・植え替えをし、宿根草は元肥を施します。サクラソウの芽分けでは、古根に付いている大きな芽や中程度の芽を植えます。小さい芽は花が咲きません。でも、捨ててしまうのはもったいないので、養成して親株にしましょう。2月末に宿根草に与える肥料は、元肥になるもので、長く効いてくれる有機質を施しましょう。野菜や果実のくずでも大丈夫です。溝を掘って施し、土を掛けておきます。

3月になると、春花壇の作業が本格的に始まりますが、植え付けの1カ月くらい前の今月には、地ごしらえなど、準備をしておきましょう。

草花は、種子をまいても、苗や球根を植え付けても、まず根を伸ばしてくれて、水や養分を吸い上げることが、花を咲かすスタートになります。その根がよく伸びてくれるようにするには、土が大切になります。根が養水分を吸い上げるには、エネルギーが必要になります。人間はじめ動物が水を飲んだり、食べ物をかんで飲み込んだりするのに、何がしかの力が必要なのと同じことではないでしょうか。そのエネルギーを生み出すには、光合成で作ったでんぷんと、根の周りにある空気に含まれている酸素とを結び付けてエネルギーをつくり出します。ですから、根の周り、つまり、土が空気を十分に含めるようにしてやることが、非常に重要になります。

こんな土を作るには、冬の間の天地返しのような深耕が効果をあげますが、これをやっていなければ、シーズン直前の地ごしらえの折に、少し深めに耕して、堆肥や腐葉土など有機物も十分に入れて、ふっくらした土にしておきましょう。地ごしらえでは、石灰も施しておきましょう。

この時期、年間計画に思い巡らせよう
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秋まきで育ててきた苗物には水やりをしますが、まだ地上部に顔を出していない球根類も、土の中では盛んに根を活動させていますので、水やりを忘れないように。土の表面が白く乾いてきたら、たっぷりとやっておきます。午前中の気温が上がるころに、やっておくのがよいでしょう。

真冬の花壇の作業はそれほど多くはありません。この時期に花壇の土の若返り作業と今年の花壇づくりの構想を練っておくのはどうでしょうか。

花壇の若返り作業は、春咲き草花の苗や球根などの植わっていない、空いた花壇を深く打ち起こすものです。深さ30cmほどにスコップやくわで深い所の土を掘り起こし、表面の土をひっくり返して下層にしてやるのですが、かなりの重労働ですから、作業の少ない時期に、少しずつ進めたいものです。こうすることで、下層の土が冬の風雨にさらされて酸素を含み、また土中に潜んでいる病害虫に太陽光を当てて、密度を減らす効果も狙います。天地返しとか寒ざらしともいいます。打ち起こした後は、消石灰をまいておきます。酸性土壌の矯正のためです。雑草の根は取り除いておきたいのですが、土そのものは、このまま置いておいて、次の種まき作業、定植作業の準備のとき、細かく砕きます。

花壇づくりの構想を練っておくと、適期の作業実行に役立ちます。これも比較的暇なときにやっておくとよいでしょう。何月にはこの花、翌月にはあの花という、およその開花期を並べて、年間の花暦を作り、種まきどきを添え書きしておいて、園芸店やJA、また、種苗会社の通信販売で種子を求めて用意すれば、作業が遅れずに進められるでしょう。

菊は、霜よけをする、好天の日中にはよく日に当てるなどの冬至芽の管理が中心ですが、水不足で枯れることがありますので、十分な水やりが大切です。

ハボタン、フクジュソウで日本の冬を
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冬を代表する草花として花壇を飾ってくれるフクジュソウは11月から2月までが植え付け適期です。花が咲く時期に植え付けても大丈夫、という草花です。植え付け場所は、冬には日当たりが良く、夏には日陰になるような、落葉樹の枝先の下あたりが最適です。12月になると、園芸店などで、根株が売り出されます。すでに植え付けてあるものは、4~5年経っていれば、株分けして、植え付けます。あまり長年、植えっ放しにしていると芽が小さくなってきます。

フクジュソウといえば、元旦草という別名があることで、正月の床の間や窓辺を彩ってくれる花をイメージしますが、普通に育てると、旧暦の正月、つまり新暦では2月ごろが開花期です。園芸店などでは正月用の鉢物として売り出されますが、温度調整をして、新暦の正月に咲かせられるように育てたものです。

冬の庭に欠かせないハボタンが葉色を増してきますが、植え付け時期です。定植場所には、肥料を施しません。キャベツの仲間ですが、寒さや風当たりがあまり強いと早く傷みますので、こうした所への植え付けは避けたいものです。自家で種子をまいて苗づくりをしてくると、どうしても苗に大小が出来てしまいます。同列に植えるなら、大株は少し深めに植えます。

太平洋側の地域や瀬戸内地方など降雨の少ないところ、それに、防寒をしている苗を植えてある場所などは、水不足になりがちです。また、地表面には顔を見せていない球根や宿根草の植え付け場所でも、根部は活動していて、水分を求めています。こうした所には、地表面が白く乾いたら、午前中にたっぷりと水やりをしておきましょう。

水栽培の球根は、容器の底に届くほどに根が伸びてきているでしょうから、そろそろ0度近い場所に置いて、寒さに当てるようにしましょう。2月ごろまで、十分な寒さに当てないと、良い花は咲きません。

ユリの植え付け時期
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球根の多くは10月中に植え終えるのが良いですが、まだであれば早めに植えましょう。ただ、耐寒性の強いユリは今月が植えどきです。ユリは今月が植えどきです。ユリは球根の上の茎からも「上根」と呼ばれる根を出し、栄養を吸い上げる重要な役目を担いますので、一般の球根より球根一つ分、深植えにします。この上根は茎が土で覆われていないと出ないので、深植えにするのです。

秋まき草花の苗は、11月上旬には花壇に定植しておきます。ハボタンは気温が下がって寒さを感じるくらいになると、葉が色づき始めるので、このころを定植時期の目安にします。他の草花の定植花壇は、肥料を施しておきますが、ハボタンの植え付け場所だけは肥料を施しません。葉の色づきを悪くしないためです。今植わっている秋咲き草花がまだ、よく咲いていて、苗が植え付けられないときは、育苗ポットに植え替えておき、秋咲き草花が終わり次第、すぐに植え付けられるようにしておきましょう。

ヒヤシンスなど球根草花の水栽培は、水温が15度を下回るような陽気になったら始めましょう。根の伸長に光はいらないので、発根部から下の部分の容器を黒い布、アルミホイルなどで覆うか、冷暗な部屋の隅に置くようにしましょう。

サフランが開花する時期になりますが、花が咲かない物があるかもしれません。これは多くの場合、新球根がよく育っていなかったことが原因です。サフランは花が咲いた後、新球根を付け、これが育って芽を出し、また初冬に再び花を咲かせるのですが、新球根が小さいと花を付けません。そこで、新球根を大きくしてやるためには、前年の球根植え付け時に、肥料を十分に施しておくことが重要です。また、水栽培やミズゴケでの栽培では、使った球根には肥料を与えませんので、来年もこの球根を使うのでしたら、肥料を施した花壇などに一度地植えにして、球根を養成しましょう。

秋、花壇作業は手際良く
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高かった気温、地温が下がり、草花の種子、球根は発芽、発根には好適時期です。寒い時期を越えて、春に花を咲かすわけですから、寒さが来る前に、十分に根を張らせ、水分をしっかり吸い上げる態勢を整えてやるのがポイントです。

秋まき草花の発芽には15~20度くらいが適していますが、急激に気温が下がっていく秋のまきどきは案外短いので、手際良くまきましょう。一方、球根は寒くなるまでに根を伸ばせればよいので、11月上旬まで植え付けられます。植え付け場所は3週間ほど前に、酸性を矯正し、有機質、元肥を入れて、準備しておきます。

球根は水栽培で楽しむことも多いのですが、こちらは水生の病原菌との戦いがあります。病原菌が繁殖しにくい水温、15度以下になってから取り組む方が得策です。それでも12月までには根を十分に伸ばしてから、強い寒さに当ててやる必要がありますので、あまり遅く取り組むと、根が十分に伸びないうちに寒さが来てしまうことになります。留意してください。発根、根の伸長には光はいらないので、栽培容器は部屋の隅などの暗い所で管理して大丈夫です。根がしっかり伸びてからは明るい所で管理します。

ハボタン、パンジー、デージーなど、夏に種まきし、苦心して育ててきた草花は、小苗になっているころです。仮植えし、丈夫な細根を多く出させて、冬を越せる体力を備えた丈夫な苗に育て上げましょう。植え替え時には、根を半分か3分の1くらいに切って植えても大丈夫です。定植する花壇もなるべく早く、酸度矯正、元肥施用して、地ごしらえをしておきます。ハボタンは涼しくなってくると急激に大きく伸び始めますので、株間を少し広めに取って植え付けましょう。葉が込み合って株間が詰まってしまうようなら、下葉をかき取って、風通しを良くしてやりましょう。

秋の種まきは適期が短い
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秋まき草花のまきどき、秋植え球根の植え付けどきに差し掛かります。

種まきは、お彼岸を目安にしますが、秋は急激に気温が下がっていきますので、春まきよりも適期が短いと考えましょう。急激に気温が下がるので、種まきが遅れると根張りが悪くなり、生育スピードが鈍って、冬の寒さでダメージを受けてしまいます。これを逆手に取って、アサガオを9月にまいて、日当たりの良い所で育てると、短日と生育の遅延で、小さな草丈のアサガオの花が見られます。花は大輪にはなりませんが、晩秋のアサガオという、面白い風景になります。

ユリ、サフラン、フリージア、オキザリスなどの球根は9月中に植えましょう。植え付け場所の準備は早めにしておきます。サフランなどを室内で観賞するなら、霜が来るまでは、戸外で寒さに遭わせてから室内に取り込みます。

チューリップ、スイセン、ヒヤシンスなどは10月に植え付けます。このための植え付け場所を、9月に元肥施用など地ごしらえしておきましょう。

宿根草は株分け、植え替え時期です。シャクヤクは宿根草ですが、何年も植えっ放しにしておくと、出てくる芽が痩せて、花が咲かない株になってしまいますので、3年に1回くらい株分けをしてやりましょう。10月に根が伸びる時期の前に掘り上げて、株分けをします。十分な堆肥を入れ、化成肥料を少々加えて土づくりをして植えます。来年は良い花が咲くでしょう。

菊は、10~11月咲きが、つぼみが見え始める時期になりますが、最上部の大きく咲かせるつぼみ(心蕾<しんらい>)とその下の四つを予備芽として残す以外の脇芽は摘み取ります。予備芽は心蕾が何かの原因でなくなった場合に備えておくのですが、10月初旬まで付けておきましょう。つぼみが見え始めたらしおれさせないよう、水を十分にやります。支柱は早めに立てておきましょう。

水やり、ハダニ対策に留意を
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日照りが続けば、花壇の草花は青息吐息でしょう。土の表面が白くなったら、たっぷりと水やりをしましょう。鉢植えは、花壇に比べて土の量が格段に少なく、鉢の周りから熱が押し寄せるので、毎日水やりをしなくてはならないくらいに乾きます。この時期、代表的な草花はアサガオですが、特に大輪種は、夕方涼しくなってからの冷たい水での水やりは避けます。くみ置きの水を午前中に掛けてやりましょう。

乾燥する時期はハダニが増える時期でもあります。ハダニは葉裏に付いて、吸汁しますので、葉が薄くなり、少し透けたように白っぽい筋が見えます。こういう状態が多く見られるようなら、ダニ防除剤を使って退治します。ハダニは湿潤状態に弱いので、葉裏に水を掛けてやるのもよいでしょう。

サルビア、ダリア、マリーゴールド、早く咲いたコスモスなどは草丈の半分か3分の1くらいに切り戻して、再び出てくる茎に花芽を付けるようにして、秋の開花を楽しみます。切り戻しの後、肥料を施して、力をつけてやりましょう。

ダリアは茎が中空で、中に雨水などがたまると腐敗の原因にもなりますので、節のすぐ上で切り戻します。

パンジーは9月にまくのが普通ですが、早くまくと11月から開花が期待できます。鉢などに8月中に種まきをし、覆土しないで、洗面器などに水を張って鉢を漬けて、下から水を吸わせます。水分の蒸発を防ぎ湿度を保つため、発芽するまで新聞紙を掛けて涼しい場所に置きます。4~5日で発芽するので、新聞紙の覆いは取り除きます。いつまでも光を制限していると徒長してしまいます。本葉3枚くらいで3~4cm間隔に植え広げ、この間隔でも込み合うくらいになったら定植します。

10~11月咲きの菊は、支柱を立てて出蕾(しゅつらい)に備えます。

パンジーの種まきはいかが
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7月から8月にかけては水やりと草取りが重要な作業です。

水やりは涼しい午前中にたっぷりとやっておきましょう。

夏季の花壇は「雑草との闘い」といえるほど、雑草の旺盛な生育と草取りの競争になります。雑草を1本も残らず取り除こうなどと考えるとうんざりしますが、「草丈の高くなったものを取り除く」という程度に考えれば、気楽ではないでしょうか。

真夏に種まきするものは多くありませんが、今ではほとんどが園芸店やホームセンターで、苗を買ってきて植えることが多くなったハボタンやパンジーは真夏にまくことができます。ハボタンは、いつまいても発芽しますが、葉が色づく晩秋から初冬に程よい大きさにするには、七夕ころにまくとよいでしょう。また、パンジーは暑い中での種まきは発芽が良くないのですが、早くまけばまくほど花が早く咲くので、箱や鉢に種まきして涼しい風通しの良い場所で管理したり、冷房の効いた部屋で発芽させたりするとよいでしょう。パンジーの種子は小さいので、種まき後の箱や鉢の水やりは、それらより大きい容器の中で、底から吸水させます。

菊は、8~9月咲きには支柱を立てるか摘心をし、草丈を低くして倒れない工夫をしてやり、10~12月咲き品種では、枝数を増やすために摘心をします。11月開花の大菊は、7月中~下旬に9号くらいの大鉢に定植します。大菊では、早ければ7月にも、つぼみに似ているが花にならない柳のように細い柳芽が出てきますので、摘み取ってしまいます。下の節から側枝が出てきますので、ここから花を咲かせます。7~8月は気温が高く、鉢はむろんのこと、花壇もよく乾きます。この時期は菊が最もよく成長する時期でもあります。水を十分にやりましょう。日中にはしおれていても、夕方や夜には回復しているようにします。

草花の増殖に好適期
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春の花は時期を過ぎ、夏に花を咲かせる草花の苗が出番を待っている時期ですので、春花壇を飾った草花は後片付けをし、後に控えた苗物のために夏花壇の準備をしましょう。春花壇の跡地は、消石灰を1平方m当たり100g程度入れて土を中和して、同200gほどの緩効性化成肥料とバケツ1杯の腐葉土を施しておきます。

球根草花は掘り上げますが、チューリップは地中の温度が上がると根が枯れ、葉が黄色になってくるのでそれを目安にし、他の種類の球根も、曇雨天が多くなり光合成能力が落ちる梅雨時期の前に掘り上げましょう。掘り上げた球根は日陰でよく風乾してから、涼しい場所で貯蔵します。スイセンは3年置きに掘り上げればよいのですが、今年花が咲かなかった株は、一度掘り上げて貯蔵し、来期には大きい株は開花を期待して植え付け、小さい株は来期を養成期間として大きな球根に育て上げるとよいでしょう。

ハナショウブやジャーマンアイリスが開花を終え、株分け・植え付け時期になります。株分け・植え付けは、一般的には2~3年置きですが、毎年の方が育ちが良くなります。時期は花が終わった直後です。植え付け場所の土は酸度を矯正しておきましょう。暑い時期での植え替えですので、植え付け株の葉は3分の2か半分くらいに切り詰めて、水分蒸散を抑えて、しおれを防ぎます。

菊は、前号で記したように日長時間に敏感な植物で、品種によって開花時期がはっきりしています。植え付け時期を早めても遅くしても、時期が来れば、草丈が長くても短くても花が咲きます。そこで、ほどよい草丈で花を見るために、開花予定の3カ月半くらい前の定植を目安にしましょう。一方、挿し芽の発根温度は18~20度で、発根に必要な日数は2~3週間とされています。このことから、挿し芽は開花時期の4カ月ぐらい前にするのがよいでしょう。6月は10月咲きが定植、11月咲きが挿し芽の時期になります。

まき時になる高温好みの草花
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5月は、草花の挿し芽には好適な時期です。

短日植物の菊は日長時間に敏感で、11月開花の大菊はどんなに早く挿し芽しても11月の日長時間にならないと花芽は作られず、花は咲きません。早く定植すると背が高くなってから開花時期になり、遅く定植すると草丈の短いうちに開花期を迎えてしまうことになります。

程よい草丈で花を付けさせる目安として、開花時期の4カ月前に挿し芽して、3カ月半くらい前に定植するとよいでしょう。ですから10月咲きの品種は、5月に挿し芽して6月に定植します。11月咲きは5月、親株を摘心して、側枝数を多くし、挿し芽用穂木を増やしておきます。

アサガオ、ヨルガオ、ペチュニア、ケイトウなど高温で発芽する草花はまき時です。春まきの草花は多くが短日性で、夏至を過ぎて日が短くなる時期でないと花は咲きません。春まきの草花を少しずつまき時をずらしてまけば、草丈の違う姿が楽しめるでしょう。

チューリップは、地温が高くなると根が枯れてきて、葉は黄ばんできますので、この時期が球根掘り上げのタイミングになります。チューリップは植え付けた球根が開花のために使われてなくなり、毎年新しいものができます。新球は大小があります。大きい球根は花を咲かせますが、小さい場合は翌年には花は咲かず、葉しか出ません。しかし、来年1年養成して大きくしてやれば、花を咲かせる球根に育ちます。

サクラソウ(ニホンサクラソウ)はそろそろ花が終わりますが、この後、地際に芽のような新しい根茎ができてきます。この新根茎は乾燥に弱いので、土を掛けて保護して育て、良い株にしてやりましょう。これを増し土といい、サクラソウ栽培では重要な作業です。新根茎が見えたら、なるべく早く増し土作業をします。掛ける土は2~3cmの厚さでよいのですが、雨で流されたら、時々掛け直します。

種まき、植え付け本格化
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4月も草花の種まき時期です。それでも遅霜の心配される地域や、アサガオ、サルビアなど高温を好む物は、種まきを5月まで待ってもいいでしょう。特にアサガオは、日照時間15時間以下にならないと花芽ができないとされていますので、少々種まきが遅れても、生育期間は十分にありますので、ゆっくりまけます。高温を好むこれらの草花は、霜の当たらない場所があれば、そこに種まきをしたり、室内でまいたりして、育苗し大きくしてから植え付ける手もあります。気温が上がってくる時期ですので、意外に早く苗が込み合いますので、注意しましょう。

3月に早まきした草花はそろそろ株間が込み合ってきますので、頃合いを見計らって、定植します。

球根は芽が出ていようといまいと、中旬くらいまでに植え付けましょう。チューリップやスイセンなど秋植えの球根草花は、花が終わったらすぐに花殻を取り除き、球根への負担を少なくしてやります。その後、葉が緑色を失うころになったら、掘り上げます。スイセンはかなり長い間、緑の葉を付けていますが、それでも梅雨入り近くには掘り上げましょう。球根草花以外でも花殻は取り除くようにしましょう。雨がたまって花殻が腐ると病原菌が増殖して、病気のもとになります。

菊は親木作りのために植え替えておいた冬至芽が芽を伸ばし始めたら、挿し穂を増やすため摘心します。まだ冬至芽を植え替えていない場合には、早めに4号くらいの鉢に植え付け、親木作りをします。この株から芽が伸び始めたら、摘心して側枝を出させます。摘心は下葉5~6枚をして先端部を摘み取ります。側枝に本葉5~6枚以上出たころ、これを切り取り、先端の生長葉とその下の本葉2~3枚を付けて挿し穂にします。これが、秋に花を咲かせてくれる株になります。

今から菊作りを始めようとする人は、種苗会社や苗物店で苗を、4月中に購入しましょう。

あなたもチャレンジ! 家庭菜園
イラスト次年度に向けた土作りについて

本格的な冬を迎え、家庭菜園は越冬野菜だけとなり、冬の休閑期に入り、空き畑が多くなります。この機会を捉え、しっかりと土作りし、次年度に備えましょう。

野菜の根が健全に伸びるためには、(1) 水はけと通気性が良いこと、(2) 水持ち(保水力)が良いことが重要な条件となります。

土には、細粒の粘土と粗粒の砂の割合が異なる単粒構造と団粒構造があり、団粒構造にすると孔隙率(こうげきりつ)が高く、空気や水を適度に含み根がよく伸びますが、その状態も数年間野菜を作り続けると、次第に痩せて単粒構造となり、根があまり伸びなくなってしまいます。

土を団粒構造にするのには、良い粗大有機物の堆肥や緑肥、ピートモス、ココピートなどを十分に施し深く耕すことが必要です。

根が深く広く張るためには深層まで条件を整えることが大切ですが、その目安として、直径8~9mmの棒を畑土に差したとき、あまり力を加えずに入る作土層が20cm以上あることです。力いっぱいに差し込んで測る有効土層が60cm以上あれば申し分ありません。一般にはこれでも不十分なことも多いですが、深耕することによりここまで改善することができます。

畑起こし、粗大有機物を入れる時期は寒冷の冬が一番です。それは他の作業が暇で、畑が空いているだけではなく、掘り起こした下層の土を上面に出し、厳しい寒気にさらし風化させることにより、物理性が改善され、病原菌や害虫、雑草の種子を死滅、軽減する効果が大きく発揮されるからです。

作業の手順は、前作の残りかすや病害虫の被害株、残根などをきれいに取り除き、堆肥などの粗大有機物を畑全面にばらまいてから耕します。60cm以上も深耕する場合には先に畑起こししてから、次の耕うん時に粗大有機物を施すのが良法です。

耕した畑土はなるべく表面に凹凸があるままにしておき、寒気に触れる面を大きくします。

土壌の酸性度も冬の間に調べ、pH6.0~6.5程度に調整しておくことが大切です。酸性を改良する消石灰の施用量は、砂質あるいは腐植の少ない土壌では少なくて、黒ぼく土では多くを要するので、施用量を誤らないよう注意しましょう。毎年むやみに与え過ぎると弊害を生じる恐れがあります。

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魅力野菜で自家菜園の活性化を

一年の計は元旦にありといいますが、とかくマンネリになりやすい自家菜園を活性化するために、今年お薦めしたい野菜の種類や品種、育て方などについて考えてみましょう。

早春から夏にかけて

一番育てやすくて、冬から春まで長い間取れるのはナバナです。改良品種の「花飾り」などは耐寒性が強く花ぞろいも良く美味です。

3月植えのジャガイモは、小粒ながら黄金色で味の良い「インカのめざめ」「インカのひとみ」「インカルージュ」の3兄弟で、話題性もあります。ピーマンは苦味や臭いが少なくキュートな小型で、子どもにも好まれる新品種「ピー太郎」、赤・黄・だいだい色をそろえ、平型の「フルーツパプリカ」などで新しい魅力が加わりました。

大型トマトを立派に作り上げるのは大変難しいですが、耐病性で育てやすくなった「ホーム桃太郎」「桃太郎ホープ」「麗容」などが味も優れています。

育てやすくてよく取れる5月まきのつる性インゲンはぜひ取り組んでください。品種は古くから味に定評のあるインゲン「ケンタッキーワンダー」などです。しっかり交差させた支柱を立て、つるが伸び始めたら遅れずに支柱へ誘引し、半月に1回、少量の追肥をするだけで、朝夕2回、2カ月ぐらい収穫し続けられ、新鮮な格別な味を楽しむことができます。

夏から秋にかけて

夏の青物としては、強健で連作にも耐え作りやすい小松菜が一番のお薦めです。身近な菜園なら、抜き取り収穫だけでなく、株をそのまま残して、下の方の葉から1~2枚ずつ葉かき収穫すれば、数カ月以上も長い間収穫し続けることができます。「きよすみ」は強健で夏に強く美味。私の庭先菜園では6月まきで7月下旬から実に8カ月間も取り続け、最後は4月初めにとう立ちしたものを、ナバナ同様におひたしで食べました。

9月まきの小カブは、色白で色つやが良く肉質が緻密で味の良い「たかね」、大きくなってもす入りせず味の良い強健な「耐病ひかり」、上が赤紫色、下が白色でサラダや酢漬けに好適な「あやめ雪」などがお薦めです。ニンジンは芯までオレンジ色になり甘さと風味に優れ、煮物やサラダにして彩りの良い「ベターリッチ」が魅力的です。

ネギは味を重視した品種を選び、自家菜園ならではの食味を楽しみたいものです。「九条太」を筆頭とし、「下仁田」「松本一本太」など全国的に在来系の味の良い品種があり、それらを考え選ぶことが大切です。「あじぱわー」(全農で筆者育成)は下仁田と湘南の交雑育種系で、その軟らかな味から直売用として評価されてきました。

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ハクサイの上手な貯蔵方法

大きく育ち、固く結球したハクサイは、一斉に収穫するだけでなく、ある程度畑に残して順次収穫し利用したいものです。

この場合、畑でそのままにしておくと、厳しい霜や寒風のために、球の頂部の柔らかい葉や外葉がカサカサになり、やがてそこから腐って食べられなくなります。防寒対策を施して長い間利用したいものです。

一番簡単な防寒対策は、霜が降り始めたころ、先に収穫した株の少ししおれかけた外葉を球の頭上に4~5枚覆いかぶせておくことです。少ししおれかけていた方が球になじみやすく風で吹き飛ばされにくいので好都合です。

畑にある程度長く置く場合は、なるべく多くの外葉で球を包むようにして、ポリテープや細縄などで縛っておきます。元気良く育つと葉折れがひどく、作業しにくいので、多少霜に遭い葉が柔らかさを増してから作業するようにしましょう。

相当広い面積の畑で多数の株を貯蔵するには、べた掛け資材(長繊維不織布、割繊維不織布)を広げて、頭上に2~3枚重ね掛けするのが効果的です。プラスチックフィルム、特にポリフィルムは、じか掛けにするとその直下は一時的に外気温よりも低くなってしまうので、使用しないでください。

大面積の栽培での本格的な貯蔵法として囲い貯蔵法があります。これは、ハクサイを畑から根ごと引き抜いて、別の場所に根を下方に向けて密に並べ置き、上に稲わらなどの保温材で覆って寒さから守る方法です。この場合、寒害を受ける前に、通常よりもやや若取りすることが大切です。そして寒害を受ける直前に貯蔵に取り掛かるよう配意します。この方法を上手にすれば、約2カ月も長期貯蔵することが可能です。

いずれの防寒、貯蔵方法でも、貯蔵する前にアブラムシやアオムシなどが寄生していると増殖してしまう恐れがあるので、事前に薬剤防除をすることが肝要です。

収穫後に短期間品質を保持するには、新聞紙にくるんで涼しい場所に立てて置くのが簡単です。これで約1週間鮮度を保てます。

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タマネギ苗の上手な植え付け

9月に種まきしたタマネギ苗は、10月下旬から11月が植え付けの適期です。5~6mm径に太り、葉がしっかりし、根がたくさん付いた苗を選びましょう。最近は3号ポリポットにじかまきし、十数本立てにしたポット苗も出回り始めました。鉢土を外し、根がしっかり付いた状態で植え付けられるので、お買い得です。

タマネギは、真冬に入るまでに十分地中に根を張らせ、春には勢い良く育つようにすることが大切です。そのためには元肥を適切に施し、特にリン酸成分(溶成リン肥や過リン酸石灰)を欠かさずに。火山灰土壌では多めに与えておくことが大切です。

根の性質が野菜の中では特異的で、通気性の良さを好まず、乾燥を嫌うので、元肥に堆肥は与えず、植え付けた後は根元を強く鎮圧しておくことが大切です。油かすや魚かすなどにはタネバエが卵を産み付け、幼虫が根元に食い込む被害が出るので、与えないでください。

植え付け方法には、8~9cmほどの深さの植え溝を55~60cm間隔で作り、化成肥料と過リン酸石灰などを施して土を掛け、並べて植える列植え方式と、肥料を畑全面に20cmほど耕し込み、幅90cmほどのベッドを作り、植え穴の間隔が15X15cmぐらいの黒色ポリフィルムを敷き、その穴に苗を押し植えするマルチベッド植えがあります。

列植えは一定の深さに溝を付け、苗を同じ深さにそろえて植えるので、植え付け作業が速く苗の姿勢が良く、株元の踏み付け鎮圧がしやすいです。また生育後期に、列間に後作(インゲンマメ、ラッカセイ、ショウガなど)を作付けすることにより、畑の高度利用ができます。

一方のマルチベッド植えは、地温を高め、乾燥を防ぎ、雑草を抑止し、肥料の滅亡を少なくする効果があります。ただし植え付け、株元の鎮圧には手間がかかります。

植え付け作業のポイントは、苗床から苗を抜き取るとき、乾いていたら灌水(かんすい)し、苗の大きさをそろえ、できるだけ根を付けて抜き取り、植えるときは根を下方に向けて深く入るよう植えることです。ベッド植えでは木製の穴開け道具を作り、きちんと植え穴を作り、根を下方に向け深さをそろえて植え、株元を指先で押さえ締め付けておきます。植え付けの深さは根の上に土が2cmほど掛かる程度に。緑葉の部分まで土が掛かるのは深過ぎで、後の育ちが良くありません。

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取れ立ての新鮮な味が格別なサヤエンドウ

栽培管理が楽で、失敗も少ないサヤエンドウ。店頭売りでは得られない新鮮さが魅力で、家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。

カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。育て方のポイントを列挙します。

(1) 連作畑を避ける。

(2) まきどきを誤らない。

(3) 冬に株が風で振り回されないよう仮支柱、風よけを設ける。

(4) 伸びだしたつるがよく絡むよう、しっかりした支柱を立てることなどです。

サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はサヤエンドウを作ったことのない畑を選びましょう。

種まきの適期は関東南部以西の平たん地では10月20日前後ですが、これより寒い地域では少し遅く月末ぐらい、暖かい地域では少し早くまくぐらいに差をつけましょう。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うため寒害を受けやすくなります。地域の慣行をよく調べてください。

サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折れにし、下方を土に埋め、簡単な風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。

越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので、早めに支柱を立て、これに絡ませるようつるを誘引してやりましょう。支柱材としては、細枝のたくさん付いたササや、子枝の付いた木の枝などが最良ですが、入手できない場合は、木杭に横竹を渡し、所々に稲わらを小束にしてつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm) を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。

肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作るぐらいで足りるでしょう。

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茎が球形に膨らみ、見ても楽しいコールラビ

茎の基部がカブのように球形に膨らむコールラビ。別名を球形カンラン(甘藍=キャベツ)とも。地中海沿岸地方の原産、葉はカリフラワーに似ていますが、キャベツの原始型ともいわれます。

日本に渡来したのは明治初期と古いのですが、あまり知られていなかったのは食べ方が分からず、和食に合わなかったためのようです。

味はブロッコリーの茎の部分に似て、こくがあり、癖がなく、歯応えが良く、適度な甘味もあります。皮をむいて4~5mmの薄切りにし、サラダやあえ物、クリーム煮にしたり、油揚げなどと合わせて煮物にしたりと、アレンジしてみると良いでしょう。ビタミンCはカブの3~4倍、カリウムも豊富で、高血圧を予防し、免疫力を高め、美肌効果も期待できます。生育適温は、15~20度、冷涼な気候を好み、キャベツよりも高温や低温に耐える力があるので、栽培しやすい野菜といえます。

種まきの適期は6月中旬から8月初旬ぐらいまでの夏まきと、9月上旬から10月上旬の秋まきです。

畑は前もって石灰と堆肥を全面にまき、15~20cmの深さによく耕しておき、種まきの前に、条間50cm、くわ幅の溝に、元肥として油かす、化成肥料を1平方m当たり、それぞれ大さじ3杯を施し、軽く覆土して、種子を2~3cm間隔にまき付けます。

 

【訂正とお詫び】
  誤  畑は前もって石灰と堆肥を全面にまき
  正  畑は前もって石灰を入れ、約1週間後に堆肥を全面にまき

 

発芽したら育つにつれて間引き、最終株間を15~17cmぐらいにします。生育の途中2~3回、化成肥料を追肥しましょう。

3号ポリ鉢に4~5粒まき、育つにつれて間引き1株を残し、本葉4~5枚の苗に仕上げ、プランターに株間15~17cm植えとし、球形に膨らむ様子を見て楽しむのも良いでしょう。

球が4~5cmに肥大した頃、図のように球から横に向かって伸びている葉の葉柄を2~3cm残して切り取り、球の肥大を促します。

収穫は球径が5~6cmに肥大した頃から逐次行います。大きくなり過ぎると肉質が堅くなるので、取り遅れないようにしましょう。

球の下部、根元付近は堅くて食べられないので、1~1.5cmは切り除いてください。収穫物は新聞紙に包んで冷暗所に置けば4~5日ぐらいは十分持ちます。

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    球の下部の葉は、葉柄を2~3cm残して切り取る
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    球の下部1~1.5cmは堅いので切り落とす
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    緑色と紅色の品種を対にし鉢植えで楽しむのも良い
秋から春先まで、新鮮な味と栄養価が魅力のブロッコリー

抗がん作用が高いと注目される野菜です。カロテンとビタミンCが豊富で、免疫カアップや抗ストレス効果も。カリウム、鉄、クロムなどのミネラルも含まれています。

家庭菜園で秋から早春まで長く取り続けるには、品種選びが大切です。頂花蕾(ちょうからい)だけでなく、側花蕾(そくからい)も取れる「頂花蕾側花蕾兼用」品種がお薦めです。

種まきの適期は7月中旬です。育苗期は高温期に当たりますが、秋の生育適温下で最大成長するので育てやすいのです。頂花蕾は10月下旬、側花蕾は10月下旬から3月ころまで長期間収穫できます。

育苗は128穴のセルトレイ、少ない本数で良ければ3号ポリ鉢に3~4粒まきとし、育つにつれて逐次間引きし、1本立てにします。

セル育苗では本葉3~4枚、鉢育苗ではやや大きく本葉5枚ぐらいの苗に仕上げて本畑に植え付けます。育苗期間は暑い盛りなので、苗はできるだけ風通しの良い、涼しい場所を選び、強光時にはよしず、遮光ネットなどで覆い、灌水(かんすい)は朝夕にたっぷり与えるなど、常に目配りし、入念に管理しましょう。

保水力のある有機質に富む土壌を好むので、植え付ける畑には少なくても半月ぐらい前に、植え畝の中央部に、くわ幅10~12cmの溝を掘り、良質の堆肥と油かす、化成肥料を長さ1m当たり堆肥5~7握り、油かす大さじ7杯、化成肥料同5杯ぐらいを施します。成長が盛んになったら月2回ぐらい、化成肥料を1株当たり大さじ1杯ぐらい追肥します。頂花蕾を収穫したときには多めに追肥し、側花蕾の発達を促します。

根は湿害に弱く、秋の多雨による病害の発生の恐れがあるので、株元が低くならないよう、特に多雨後の排水に注意してください。

茎の太さの割に草丈が高くなるので、風当りの強い所では小支柱を立てて転倒を防止しましょう。

頂花蕾は径12~13cmぐらいで収穫します。茎を長く付け過ぎると側花蕾の数が減るので、短く切り取ります。側花蕾は大きくはなりません。径4~5cmほどで収穫します。いずれも蕾(つぼみ)が大きく膨らむと品質を損ねますので、緑が濃く花蕾が締まっているうちに収穫します。

アブラナ科の野菜は、苗のうちからアブラムシ、コナガ、アオムシや黒斑病、軟腐病などにやられるので、早期に発見、適農薬を散布して防ぎましょう。

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暑さ寒さに強く連作もできる小松菜

在来のカブから分化した漬け菜の―つ。現在の東京都江戸川区の小松川周辺で盛んに作られていたのでその名があります。

カルシウムを多く含み(野菜の中でも最多、ホウレンソウの3倍強)、鉄分、ビタミンB、Cなどの栄養素も豊富です。

あくがほとんどないので、ゆでこぼししないでおひたし、汁の具、ごまあえ、生揚げや肉、魚との合わせ炒め、そして漬物にと幅広く使えます。

耐暑、耐寒性共にあり、連作障害も出にくく育てやすいので、自家菜園にはうってつけ。周年的に栽培してもよい野菜といえましょう。

一番のまきどきは8月下旬~9月中旬ですが、後述のように6月中旬からでも種まきできます。

葉形や彩りの異なる多くの品種、系統がありますが、近年人気が高いのは丸葉で葉に厚みのある葉色の緑の濃い品種(多くはチンゲンサイの性質を取り入れた改良種)です。

育て方は、野菜の中ではやさしい部類ですが、寒さ、暑さの厳しい時期の良品取りには元肥に良質の完熟堆肥や油かす、化成肥料などを畑全面にばらまき、20cmぐらいの深さによく耕し込んでおくことです。生育の様子を見て、後半葉色が淡く、育ちが遅いようなら、15~20日置きぐらいに化成肥料と油かすを列間にばらまき、くわで軽く土に耕し込んでおきましょう。

秋はいろいろな害虫にやられやすいので、早めに薬剤散布をしたり、べた掛け資材を被覆して飛来を回避します。

収穫は通常葉長が22~25cmぐらいになったら株元から抜き取り、または刈り取りします。

小規模の家庭菜園では葉をかき取り収穫するのも良いです。

私の場合、やや離れた畑ではなく庭先の小菜園の5m長の畝1列に、6月中旬に種まきし、葉をかき取り収穫し、7月下旬から3月下旬まで8カ月の長い間収穫しています。小松菜はとう立ちするまで節間はほとんど伸びず、株元付近の葉が次々と出てくるので、草姿はいつも低いままなのです。3月下旬を過ぎるととう立ちしてくるので、それもナバナ同様に摘み取って食べます。ほろ苦い、さっぱりした味も良いものです。

この摘み取り長期栽培の品種としては、サカタのタネの「きよすみ」などがお薦めです。

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高温好みで乾燥を嫌う、サトイモ作りのポイント

山で採れる山芋に対し、人の住む里にできることからサトイモの名があり。原産はマレー半島付近の熱帯の多湿地。日本には中国を経て渡米、稲作以前は日本の主食であったとされる野菜の大先輩です。

主成分はでんぷん質。加熱すると糊化(こか)し消化吸収しやすくなり、カリウムが豊富に含まれ、意外に低カロリー。体脂肪や生活習慣病が気になる人にもお薦めです。

親芋が中心にあり、子芋、孫芋がその周りに付くサトイモには、通常子芋、孫芋を食べる子芋用と親芋を食べる親芋用、葉柄を食べる葉柄用があります。

通常は子芋用の「土垂」や「石川早生」などを選びますが、好みによって親芋用の「京いも」や親子兼用の「八つ頭」、葉柄用の「蓮芋」なども用います。

サトイモは連作障害が出やすい野菜なので、少なくとも3~4年作ったことのない場所を選んで栽培しましょう。

高温性で生育適温は25~30度、植え付けは十分地温が上がってから、植え付けの深さは7~8cm。植え付けたら畝上にポリマルチをし、地温の上昇を図ります。

マルチの下で、芽が伸び始めたら遅れずにフィルムを破り芽を上にのぞかせます。

芽が勢い良く伸びだしたら、太い芽1本だけを伸ばし、小さな芽は早いうちにかき取ります。土寄せ前なら芽を倒して土で埋めてしまうのも良い方法です。

本葉が5~6枚になった頃、畝の通路側に肥料(1株当たり油かす大さじ3、化成肥料大さじ2が目安)をばらまいて、土と混ぜ合わせながら株元に土寄せをします。

マルチフィルムは片寄せして作業し、再び覆います。土寄せの厚さは4~5cm程度にし、2~3週間置きに3回ほど行います。第2、3回の土寄せの前にも第1回同様に追肥しますが、葉が茂り過ぎなら肥料は控えめにしてください。第3回はマルチを除去して作業します。あまり遅くまでマルチをしておくと高温と乾燥のために芽つぶれやひび割れなど、子芋の障害の原因になるので注意します。

サトイモは日照り不作といわれるほどに、夏の乾燥には弱いです。降雨が少なく、土が乾き過ぎるようでしたら灌水(かんすい)を心掛けましょう。

例年乾きが激しい畑には作付けしない方が良いでしょう。

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    脇芽を取り除くか埋める
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    肥料を埋めるように通路の土を株元に寄せる
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    芽かき、土寄せがと足りないと細長い不良品が多くなる
ナスは栄養診断による管理で収量が倍増

漬けて良し煮て良し、焼いたり揚げ物、生食にと、ナスは大変使い向きの広い野菜。干しナス、焼きナスにすれば長く保存ができることも分かり、いっそう魅力を高めてきました。高温好みなので、強い日差しを受けると紫黒で形の良い果実が連続して収穫でき、大いに食卓をにぎわせますが、次第に株の勢いが弱まり、実止まり悪く、取れなくなり、品質も低下してきます。

これはいわゆる「なり疲れ」で生育が不調になってきたからです。

私たちが、お互いに人の顔色やしぐさを見れば健康状態を推測できるように、ナスの健康状態も、葉色や草姿、花などをよく観察すれば容易に栄養状態を診断することができるのです。

その一番のバロメーターは、図のように花の付く位置と花の形、葉や花の大きさと色具合です。特に花の中を見て、雌しべが雄しべより短い「短花柱花」は、ほとんど落ちてしまい実止まりしません。健全な場合は、花の開いた先に4~5枚の葉が開いていますが、栄養不良株では1~2枚しかない状態になります。畑全面を見渡して花がよく見える状態は、栄養不良といってもよいのです。

対策としては、まず果実を若取りして株の果実負担を軽くしてやることです。そして追肥で栄養を補給し堅くなった通路付近の、根が伸びる先の方にくわを入れ、軽く耕し通気を図り、乾いていたら灌水(かんすい)や敷きわらをして、吸肥をしやすくしてやることです。

こうすると数日を経ずして草勢に回復の兆しが表れ、健全な「長花柱花」が多く咲くようになり、茎葉もしっかりして、上方の葉の枚数も増え、よく実止まり、果実の太りも早まり、色つやの良い果実がたくさん取れるようになってきます。

「なり疲れ」は、ナスの一生の中に3~5回現れることが分かっているので、常に観察を怠らず、早めに発見、対処して軽減するようにしてください。収量の倍増、品質の向上は必ず達成できます。

もう一つ、生育盛りに入り茎葉が込み過ぎると、日射不足のため果実の色づきが悪くなり、病害虫も発生しやすくなります。その対策として、果実に木漏れ日が当たるぐらいに、余分な葉を摘み取ったり、枝を整理することも大切な手立てとなります。

【訂正とお詫び】
4月号のイラストに誤りがございました。訂正済みイラストを掲載するとともにお詫び申し上げます。
【誤】   【正】
イラスト イラスト
イラスト イラスト
上手に育てておいしく食べようズッキーニ

ズッキーニはカボチャの仲間ペポ種の一つ。節間が短縮されつるとして伸びないので「つるなしカボチャ」とも呼ばれます。「サマースカッシュ」の別名もあります。

日本へは50余年前に導入されましたが、当時は食習慣になじまず、利用は伸びませんでしたが、さまざまな洋風料理に向くことが分かり、近年人気が高まってきました。

主力はキュウリのように長形で緑色でしたが、近頃は図のように黄色や球形など、色、形の異なる新品種も種々出回るようになり、需要を大きく伸ばしてきました。

種のまきどきは4月中旬~5月上旬です。カボチャに準じて3~3・5号のポリ鉢に2~3粒まきとし、育つにつれて1本立てにし、本葉4~5枚に育てて畑に植え出します。

茎は短縮され、葉は大型で株元付近が込み合った状態に育つので、元肥の窒素成分は控えめに施し、株間60cm、畝間180cmと広めに植えましょう。また、葉が込み合いがちなので多湿を嫌います。畑は排水の良い所を選び、畝を高めに作り、ポリマルチをすることが大切です。

葉が大きく、葉柄は太くて中空なので、風に振り回されたり反転しやすく、その傷口から病原菌が入る場合が多いので、図のように短い支柱を株元に、茎を挟むよう交差させて立て、ひもで結んで固定します。

生育が旺盛になり葉が込み合うようになってきたら、株元付近の葉を1~2枚ずつ、果実も適宜間引き、健全に育てます。肥大する果実が多くなってきたら、半月に1回ぐらい化成肥料と油かすを追肥します。

果実は短縮した茎の各節に付き、開花後の肥大は早いので、長形果種は長さ20cmほどに、球形果種は径6~8cmぐらいになったら遅れずに収穫しましょう。

ハウス栽培では早い時期には雄花を探して人工授粉することが必要ですが、露地栽培では昆虫が活動するので、放任しておいてもよく実止まりします。降雨が続いたりして多湿になると、花弁がしおれて果実に付き、腐ることがあるので、花弁を早めに取り除きます。

代表的な食べ方はトマトやナスなどと一緒に煮込むラタトゥイユ。油で一度炒めてから煮込むとカロテンの吸収も良くなります。

簡単なのは輪切りにしてバターで炒めてチーズの付け合わせに。ゆでて塩とレモン汁を振ってサラダに。縦に薄く切って帯状にし、ゆでてサーモンやトマトなど彩りの良い材料を巻きオードブルに。その他グラタン、唐揚げ、ガーリック炒めに、さらには開花中の花弁を花ズッキーニにと、用途は限りなく広がります。

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    元肥は植え付け半月前に畝全体に耕し込む。追肥は生育盛りのときフィルムを上げて施す
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葉をかき取りながら長い間収穫できるサンチュ

サンチュというのは韓国名で、わが国ではカキチシャまたは包菜(ほうさい)と呼ばれます。

カキチシャの名の通り、大きく育った葉を下の方からかき取り収穫するのですが、その後茎が伸びて葉を増やすので、それを順次上の方に向かって、長い間取り続けることができるのです。1株から数ヵ月にわたり、数十枚もの葉を取ることができ、大変重宝します。利用に当たっての大きな特色は、葉が平滑で葉脈が柔らかく、曲げても破れにくいことです。そのため焼き肉や刺し身を包んで食べることができます。もちろんサラダやトッピング、バーベキューの材料にもよく合うなど、幅広い使い向きが魅力です。

1株当たりの収量が多いので、育てる株数は少数でもよいので、庭先のミニ菜園やプランターでも十分間に合うし、栽培も容易で、家庭菜園向きのお薦め野菜です。プランターでは青、赤を混植すれば彩りを楽しむことができます。

種まきの適期は4月中下旬と8月中旬です。3号のポリ鉢に、良質の育苗用土を詰め、4~5粒まきとします。覆土はごく薄くし、発芽までは新聞紙で覆い、乾かないよう灌水(かんすい)に注意します。発芽ぞろい後逐次間引いて1本立てとし、本葉4~5枚に育てて定植します。

生育期間が長いので、元肥には良質の完熟堆肥を十分施します。植えつけ後は生育の様子をよく観察しながら15~20日に1回ぐらい、1株当たり油かす小さじ2杯、化成肥料小さじ1杯を株の周りにばらまき、軽く土に混ぜ込みます。葉の伸びが遅くなったら液肥を所定濃度に薄めて灌水代わりに施すと肥効がよく表れます。

収穫は葉の長さが20cm内外に育ったら、下の方の葉から順次手でかき取るようにして行います。1回に取る葉数は、通常1株2~3枚以内と考えてよいですが、その時点での草勢を見て適宜調整してください。収穫を重ねるごとに茎は太くたくましくなり、胸の高さ以上にもなります。良質の取り立ての葉は直売所でも人気商品となること請け合いです。

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    本葉2~3枚の頃に間引いて1本立てにし、本葉4~5枚の苗に
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    長型のプランターなら2株植えに
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    下の方の葉から順次かき取る